木造と鉄骨のハイブリッド構造によるオフィスビル『KiGi AKIHABARA』を東京・秋葉原に先月開業した株式会社サンケイビルが、8月5日、同施設を会場に親子向けワークショップを開催。小学校低学年以下の子を持つ親子が「森ごとクレヨン」作りを行った。本プログラムは「木でつながる。人がかがやく。」をコンセプトに掲げる同施設の地域貢献の一環として実施されたもので、環境問題を身近に考えてもらうことを目的に今後も継続開催を予定している。
『KiGi AKIHABARA』を、新たな価値のある体験が育つ場に
JR秋葉原駅から徒歩約10分の神田川沿いに立つ『KiGi AKIHABARA』は、木造と鉄骨造のハイブリッド構造を採用した、同社初の木造中高層オフィスビルだ。7月22日に開館した地上9階建ての館内は、1階にカフェ・交流スペース、2階に共用ラウンジを設け、入居者だけでなく、地域住民の活用も見込んでいる。

ワークショップに先立ち施設の概要を説明した同社・総務部広報課の堀尾悠氏は、「建物をきっかけにさまざまな方々に集まり、新たな価値のある体験が育つ場を作り出せれば」と、通常のオフィスビルに留まらない新たな在り方を強調。また、本施設の存在や今後行う取り組みを通じて、「弊社がビル運営以外にも多彩な事業を手がけていることを知ってもらえたら嬉しいです」と話した。

その地域活動の一環として実施されているのが、地域の子どもたちを招いて行う「森ごとクレヨンワークショップ」だ。こちらはクリエイティブ領域における若手プレイヤーの発掘・育成などを行う一般社団法人ASIBA、物づくりに関するワークショップの企画・運営などを行う合同会社6699(うずまき)との三者による協力企画である。100分のワークショップでは、前後半で「森ごとクレヨンを作ろう!」と「森ごとクレヨンを使って、街の設計士&枝の建築家になろう!」という2つのプログラムを実施。木に触れ、香りを感じる体験を通じて、森に関心を持ち、環境問題を自分ごととして捉えるきっかけ作りを目指している。

同じくワークショップに先立ち挨拶したASIBAの森原正希共同代表は、「今後おそらく都市木造が増えていく中、我々は森や林業に関心を持つ新しいきっかけ作りができないかと考えています。その上で、本施設では都市から森を考えるタッチポイントを増やす取り組みをしていきたいです」と思いを述べた。
子どもたちが「森ごとクレヨン」作りにチャレンジ
6699の峯村瑠一代表が講師を務めたワークショップには、小学生低学年以下の子を持つ6組の親子が参加した。

前半のプログラムで作ったのは、「森ごとクレヨン」だ。こちらは森から出た間伐材や未利用材から抽出された精油(エッセンシャルオイル)を閉じ込めたクレヨンで、お絵描きをする度に木の香りがふわりと香る。素朴な見た目も愛らしく、アロマやフレグランスなど大人向けの製品に多く使われる精油を子ども向けのアイテムに利活用している点も大きなポイントだ。

作り方は、まず顔料とヒマシ油、蜜蠟、ステアリン酸をボウルで混ぜて加熱。そこに精油を加え、型に流し込んで冷やし固めるというシンプルなもの。それでもこの年代の子どもたちにとっては集中力が必要とされる作業で、保護者が見守る中、どの子も真剣な表情に。また、この日は和歌山県のヒノキと青森県のヒバという2種類の精油が用意され、子どもたちがフタを開けた瞬間、周囲に木々の爽やかな香りが広がった。

一方、クレヨンが固まるのを待つ間に行われた後半のプログラムでは、真っ白な紙に描いた空想都市に、種類も形もさまざまな木の枝を使って建物を作った。この時間は先ほどとは打って変わって子どもたちの笑顔があふれ、都会では手にすることが少ないであろう木の枝に親しみながら、どんなところに木の建物があったらいいかを考える姿が見られた。遊びを交えた体験は、森や木への思いが自ずと芽生える貴重な機会になったようだ。

最後は自分で作ったクレヨンを真空パックにして、香りとともにおみやげに。夏休みの思い出が一つ増え、どの子も満足げな笑顔が印象的だった。
なお、『KiGi AKIHABARA』では、今回のワークショップのほかにも、サステナビリティや森林保全を学ぶ定期セッション「KiGi Sustainable Open LAB」や、苗木を育てて森に返す「MODRINAE(戻り苗)」などの企画を予定しているとのこと。ビル運営“だけじゃない”サンケイビルの新たな取り組みに注目だ。
