昭和世代には「懐かしい」食べ物として認知されている魚肉ソーセージ。
「価格が手ごろ」「家計の味方」というイメージがある魚肉ソーセージは、現在「心血管疾患のリスク低減」「中性脂肪値を下げてくれる」など、健康に役立つ機能をうたう商品や、産地・魚種にこだわった商品など、目的別に選べるほど進化。
また、魚肉ソーセージはZ世代からも「ギョニソ」の愛称で親しまれ、人気が高まっているのです。
令和の魚肉ソーセージブームの背景
1953年から発売された、マルハニチロの魚肉ソーセージ。
生産量は1972年の約18万トンがピークとなり、その後は原材料の冷凍すり身価格の上昇・食生活の変化などで減少傾向となり、2023年には生産量はピークの4分の1ほどに減少しました。

「DHA 入りリサーラソーセージω」は、2024年2月の発売以来、計画を上回る販売数になっているそう。
そんな昭和のスター商品とも言える魚肉ソーセージが今、令和の時代に再ブームを巻き起こしているのです。
魚肉ソーセージが再ブレイクとなった理由とは
魚肉ソーセージの再ブレイクに最も影響を与えた要因は「魚肉ソーセージの健康食品化」
魚由来たんぱく質・DHA・EPAが摂れるなど、体に良い食品という認知が広がり、再ブームが到来しました。
特に、昨今では様々な種類の魚肉ソーセージが発売されており、2024年2月にマルハニチロから登場した特定保健用食品、いわゆるトクホを取得している「DHA入りリサーラソーセージω」は、パッケージに「疾病」を入れることを認めた食品となっており、2024年に日本で初めて「心血管疾患のリスク低減」という表示を国が認めた特定保健用食品です。

その他にも、魚種ごとの魚肉ソーセージなども展開されるなど、今や魚肉ソーセージは目的別に種類を選べるほど進化を遂げました。
マルハニチロ株式会社 チルド食品事業部の綿引悠太さんは、

「人気の秘訣は『健康と選ぶ楽しさ』です。この細長い形状に詰められない機能や魚種はないと思い開発に取り組んでいます。寿司屋に並ぶネタはすべて試しています!」
とコメント。
多数の魚種を試したそうで、
「銚子産いわし」
「山陰産のどぐろ」
「鹿児島産うなぎ」
「北海道産たらこ」
「沖縄産いか」
と地域の魚種を使った魚肉ソーセージも販売されています。
利便性の向上も再ブレイクの要因の1つだった
また、昔と比べると利便性の向上も再ブームの大きな理由の1つ。
魚肉ソーセージは、昭和の頃は“開けにくい”というイメージが定着していました。
この課題を解決すべく、マルハニチロでは「1秒OPENフィルム」を開発し、その使い勝手を大きく進化させています。
使い方は非常に簡単で、つまんで引っ張るだけで簡単にフィルムを剥くことが可能。
インターネット上でも「魚肉ソーセージを上手く剥くコツ」などが検索結果に出てくる中、この手軽さが話題に。
開封にハサミなどが不要なことから、子ども・お年寄りでも手軽に食べられる点が評価され、単なるおやつなどではなく防災食・備蓄食としても注目を集めています。
さらに、魚肉ソーセージはSNS上では「ギョニソ」の愛称で、Z世代から支持を集めており、投稿されたアレンジレシピには多くのいいね数がつくほど。
Z世代にとっては、魚肉ソーセージは「令和の人気の食べ物」となっているのです。
血圧や中性脂肪などの数値を気にするシニア世代や、働き盛り世代から多くの支持を集め再ブレイクした魚肉ソーセージ。
お肉のソーセージと比べると低脂質・高たんぱく質であることや、DHAなどが健康へ良い影響を与えることから、健康食品としても進化を遂げた魚肉ソーセージは、利便性も相まって幅広い世代に再注目される食品となっています。
物価高騰が進む中で、手頃でおいしく健康になれる魚肉ソーセージを、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
