日本の会計ファイナンス人材育成を牽引するCPAエクセレントパートナーズ株式会社は、都内で行われた公認会計士試験の合格発表に合わせてプレスラウンドテーブルを開催。
「公認会計士とは何か」という基本や、高度会計ファイナンス人材が社会で求められる背景、そしてCPAが最も多くの公認会計士試験合格者を輩出している理由などを説明しました。
公認会計士試験で最大の合格者を輩出するCPAエクセレントパートナーズ
公認会計士試験とは、会計・監査の専門家である「公認会計士」になるための国家試験。
短答式試験と論文式試験の2段階で構成され、合格には一般的に3,000〜5,000時間(日数にして約125〜210日分)の学習時間が必要とされているほど。
期間にして1.5〜2年ほど学習を続ける必要があり、弁護士などと並んで「3大国家資格」とも呼ばれています。
ラウンドテーブルのはじめに、CPAエクセレントパートナーズ株式会社 取締役 共同創業者の齊藤慶三氏は、令和7年度の公認会計士試験の概要を説明。

齊藤氏によると、今年の願書提出者2万2,056人に対し、最終的な合格者数は1,636人となり、最終合格率は7.4%となったとのこと。
ここ数年は7%を少し超えた水準で推移しているそうですが、どれだけ狭き門であるかが分かります。
合格者の女性割合は24%、平均年齢は24.6歳となっており、最高齢の合格者は54歳。
最年少はなんと16歳と、高校1年生の年齢で合格した方もいたのだそうです。

高度な会計ファイナンススキルを持つ人材がいま求められている理由
財務戦略アドバイザー 一般社団法人インパクトスタートアップ協会 代表理事を務める星直人氏は、いま公認会計士をはじめとする「高度な会計ファイナンススキル」を持つ人材が、なぜこれほど求められているのかについて説明。

「やはり日本の企業経営のテーマが、いわゆるP/L中心の経営から、バランスシートおよびキャッシュフローをベースとした企業価値を設定するような経営に大きく転換していることが、一番の背景だと思っています。」
と語り、続けて経営転換の3つの要因として、
●東証の改革
●しっかり同じ言葉をもって話せるか
●金利のある世界
という点が背景にあるのだと説明。
しかし、残念ながら日本の今までの人材や経営では、どうしてもP/Lの管理に重きが置かれてきたという実態があり、会計ファイナンス人材はまだまだ不足していると語りました。
続けて、CPAエクセレントパートナーズ株式会社 代表取締役社⻑の国見健介氏より、公認会計士の魅力について紹介がありました。

「3大国家資格の公認会計士は、独占業務である監査をはじめ、公認会計士の資格を取得すると税理士登録もできるようになります。独占業務としての税務業務など、高度な専門領域における魅力があるのは当然ですが、企業の中での経理・財務・CFO・IRなどを務める方もいるなど、キャリアの多様性が魅力です。」
とコメントし、他にも「経理・監査・税務など事業側で活躍できる」「税務などでグローバルに活躍可能」「女性が活躍しやすい領域である」といった公認会計士の魅力を語りました。
会計ファイナンスにおける企業・国の課題
イベント後半では、3名による対談形式で進行。
星氏は、

「国見さんが先ほど、英語・ITと並んで、ファイナンスは世界の共通言語の一つだと語られたのですが、私もこれはすごく感じておりまして、やはりこれを知っているか知らないかで、経営やファイナンスも含め、同じ言語を使ってコミュニケーションが取れるかというところになってくる。これは絶対的に必要なスキルセットなんじゃないかなと思いました。」
と今後の会計ファイナンス人材が必要になってくると語りました。
また、現状日本国内にCFOが全く足りていない理由として、これまで会計ファイナンス人材があまり求められてこなかったこと、そしてポテンシャルはあるもののチャレンジする人がこれまで多くなかったことを挙げました。

国見氏は、将来の会計ファイナンス人材として活躍が期待される公認会計士試験の合格者を多く輩出するCPAの今後の展望について、
「既存の取り組みをより強化し続けていくのは当然ですが、今後は公認会計士の学習についても、AIがかなりの精度で質問に対応できるようになっていくと考えておりますので、24時間いつでも疑問に対して質問できるようになるなど、一人ひとりにパーソナライズされた学習を進めていけるのではないかなと思っております。」
とコメント。
また、専門家のソフトスキルの強化、生涯支援なども強化していくことでさらなる合格率の向上を図っていくと述べました。
2025年度に公認会計士試験に合格した1,636人の中で1,046人(速報値)と、実に63.9%もの合格者数を誇るCPA。
会計ファイナンス領域に挑戦する人材をさらに増やすべく、CPAの挑戦は続いていきます。
