2025年9月2日に「Rakuten Fashion Week Tokyo」でGlobal Fashion Collectiveが開催されました。
世界各国のデザイナーによる最新コレクションを通して、創造性と多様性に富んだインスピレーションあふれるファッションの楽しさを体験してきた様子をレポートします。
多様なデザイナーによるランウェイショー
「Global Fashion Collective(GFC)」は、20年以上の歴史を持つVancouver Fashion Weekを主催するVancouver Fashion Management Inc.によって運営されるプラットフォームであり、新進気鋭のファッションデザイナーを支援することを専門としています。
ニューヨーク、パリ、ミラノ、ロンドン、東京という世界5大都市のファッションウィークにて毎シーズン合同ランウェイショーを開催。
デザイナーの国際的な認知拡大と新たなマーケット開拓を支援。
そしてこの度開催されたRakuten Fashion Week TokyoにおけるGFCのランウェイショーでは、多様な国際的デザイナーを一つのランウェイに集め、ファッションデザインの卓越性を披露。
日本、韓国、メキシコ、台湾、マレーシアのデザイナーが参加し、新進気鋭から実力派まで幅広い才能を反映するコレクションとなりました。
また、多くのデザイナーにとって自然は大きなインスピレーション源となり、人間と環境との関係をテーマに掲げております。
夜空を体現する煌めく素材から、都市環境を映し出す構造的なピースまで、様々な素材やシルエットを通じて表現。
私は第二部での、4ブランドのランウェイショーを観覧させていただきました。
A-JANE
マレーシアのブランドであるA-JANEは、SS26コレクション『KLANGKANTE』を発表しました。
本作は、作曲家ヘルムート・ラッヘンマンによる実験的楽曲《Pression》から着想を得ています。
音を形へと変換し、シャープなテーラリング、異世界的なシルエット、持続可能素材を用いた彫刻的レイヤリングを展開しました。
黒・白・シルバーのモノクロームを基調としたパレットに、ネオングリーンを差し込み、音のエネルギーが生み出す不協和音を表現。
デザイナーであるChangは「KLANGKANTE」を通じて、アヴァンギャルドなデザインとサステナビリティを融合させ、抽象的な感情を身にまとうアートへと昇華。
彫刻のようなエッジの効いたデザインはランウェイでもとても印象的でした。
SVLIM
SVLIM(メキシコ)はダークでアヴァンギャルドな美学とストリートウェア、そしてジェンダーレスなシルエットを融合させた最新ビジョンを発表し、強烈な存在感を示しました。
ブランドの反逆的な精神とベルリンのネオ・バウハウスからの影響を映し出し、華美なディテールとアンダーグラウンドなエネルギーを放っています。
また、サステナビリティとテクノロジーの革新を融合させることで知られるSVLIMは、プロセス主導の価値を重視した360ºモデルで運営。
単なるファッションを超え、未来志向かつ持続可能なエッジを持つカルト的ラグジュアリーライフスタイルを定義し続けています。
SVLIMはアヴァンギャルドな独創性で、今回のコレクションでも一際異才を放っていました。
圧倒的なショーの締めくくりには、SVLIMのデザイナーもランウェイに登場し、会場の方々へ挨拶していました。
AYAKA OSHITA
日本のブランドであるAYAKA OSHITA。
Rakuten Fashion Week Tokyoで発表された『Metamorphose』コレクションは、抑圧されていた変化が解き放たれ、内なる衝動がついに形となって現れる、その感情的な解放をテーマにしています。
羽のようなシルエット、ほどけたリボン、裂かれた布地、蔦を思わせる刺繍などの幻想的な要素が、自由・変化・誕生を象徴。
コレクションの中心にあるのは、日本有数の歴史ある繊維産地である尾州のウール。
職人技への敬意を込めてこの素材を取り入れることで、デザイナーは個人的な変容の物語を語るだけでなく、尾州ウールづくりの伝統と持続可能性の継承にも貢献しています。
これまでの2ブランドとは全く違ったショーを見せてくれたAYAKA OSHITA。
幻想的な美しさのなかに、今回のコレクションのテーマでもある感情の開放という力強さや、外へ向かうエネルギーを感じました。
CHARINYEH
台湾のブランドであるCHARINYEH。
SS26コレクション『The Healing Lineage(癒しの系譜)』は古代東洋哲学と現代のウェルネスを融合。
伝統的な中医学から着想を得て「気のバランス」や「経絡の流れ」といった概念を、彫刻的なシルエットやカッピングを想起させるエンボステクスチャーへと落とし込みました。
天然繊維や五行思想に基づいたカラーパレットが、機能性と感性の両面からコレクションを支えています。
現代都市生活の疲労に応答するように、それぞれのピースは静かに身にまとう儀式となり、服そのものが癒しの形となっています。
CHARINYEHのコレクションからはどこか力の抜けた愛らしさや安らぎを魅せてくれたように思います。
今の現代社会の人々が求めているような、ゆとりや癒しを感じました。
Rakuten Fashion Week Tokyoでのランウェイショーを見させていただき、ファッションは自然や環境、世界での事柄とも密接に関わり合うことで創り出されているのだと知れました。
ショーとして洋服を見れる楽しさや、様々な事柄から着想を得た洋服を身にまとう喜び、ファッションが日常をより良く華やかにしてくれます。
洋服やファッションがこれまでよりもっと興味深く、そして好きになるきっかけとなったランウェイショーを見ることができました。
Global Fashion Collective詳細
HP:https://rakutenfashionweektokyo.com/jp/brands/detail/global-fashion-collective/