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視線や歩みがアートに変わる 障害者の表現を支えるAI「Poteer」誕生

働くことは、社会とつながり、自分の存在を実感する営みでもあります。しかしその「当たり前」は、すべての人に等しく与えられているわけではありません。日本では、18〜64歳の障害者のおよそ9割が就労できていないという現実があります。とりわけ重度の…
ミライクエスト 2025年8月18日

働くことは、社会とつながり、自分の存在を実感する営みでもあります。しかしその「当たり前」は、すべての人に等しく与えられているわけではありません。日本では、18〜64歳の障害者のおよそ9割が就労できていないという現実があります。とりわけ重度の知的障害や身体障害を持つ方々にとって、「働くこと」は遠い目標であり続けてきました。

けれども今、AIというテクノロジーがその壁を静かに揺るがし始めています。進化したAIは、私たちの代わりに文章を書き、デザインを生み出し、創作活動の新しい地平を切り拓いてきました。では、この力を活用して「働くことが難しかった人たちの可能性」を引き出すことができたら──そんな発想から生まれたのが、株式会社bajjiによる「Poteer(ポティア)」です。

視線の動きや歩行の軌跡、声のリズムといった日常の何気ない行為をAIが読み取り、クリエイティブな素材へと変換します。そしてその成果が、社会とつながる手段となり、経済的な自立の糸口にもなります。「Poteer」は、“福祉×テクノロジー”の新たな可能性を提示するサービスです。

障害と向き合う家族のまなざしから生まれた、希望の仕組み

日本では、18〜64歳の障害者のうち約9割が就労できていないとされています。特に重度の知的障害や身体障害を持つ方々にとって、働くことは現実的な選択肢になりにくく、社会との接点を持つ機会も限られています。

一方で、近年急速に進化を遂げている生成AIは、人の代わりに文章を書いたりアートを作ったりと、表現のあり方を大きく変えました。そうした技術を活用すれば、従来は働くことが難しかった人たちでも、自分なりのアウトプットを生み出せるのではないか──Poteerはそんな発想から生まれたサービスです。

発案者であるbajji代表の小林氏には、重度の障害を持つ息子がおり、言葉や絵での表現ができない状況を間近で経験してきました。さらに、妻が福祉事業を立ち上げたことで、当事者として多くの課題を実感。その中で芽生えた「可能性を解き放つ仕組みをつくりたい」という想いが、Poteerの原点となっています。

福祉×AIの交差点に生まれた、クリエイティブエンジン

Poteer(ポティア)は、障害がある方の“日常の動き”をデジタル上のクリエイティブ素材に変換するプラットフォームです。特徴的なのは、その“動き”が特別な操作や創作行為である必要がないという点です。目の動き、歩行の軌跡、声のリズム──どれも、本人にとっては日々の自然な行動ですが、それをAIが“素材の原石”として捉え、価値あるアウトプットへと昇華していきます。

まず、Poteerは視線追跡や音声解析、位置情報などを活用し、日常生活の中で自然に発生する行動データを収集します。こうしたデータは、参加者が散歩しているときや、何かに視線を向けているとき、あるいは言葉にならない声を発しているときに、無理のないかたちで取得されます。これにより、創作活動が難しい方でも負担なく参加できるのが大きな特長です。

収集されたデータはAIによってプロンプト(指示文)として再構成され、画像生成AIなどに入力されます。たとえば、歩行の軌跡から独自のパターンを描いたデザインや、視線の動きを元にした抽象画、声のテンポを反映した映像作品などが生成されます。これらは企業の販促物や商品デザイン、ビジュアルアートとして活用できるレベルに仕上げられ、まさに「誰でも“つくり手”になれる」環境が整っているのです。

現在、サービス内ではこうしたデータ変換のための技術について特許申請中とのこと。今後さらに機能拡張が進めば、より多様な障害に対応した表現の可能性も広がっていくことでしょう。

Poteerの技術は、単なる自動変換の仕組みではなく、“一人ひとりの存在そのもの”を創作として捉える視点から生まれています。そのプロセスの中には、人間の尊厳や多様性に対する深いまなざしが宿っているように感じられます。

“誰がつくったか”が伝わる時代の、あたたかいデザイン革命

Poteerで生成されるクリエイティブ素材は、単なる“作品”ではありません。それは、障害がある方一人ひとりの身体の動きや視線、声のリズムといった日常の営みが宿った、唯一無二の表現です。そして、そのアウトプットはさまざまなビジネスや生活の場面で実用的に活用できるものとして仕上げられています。

素材のバリエーションは多岐にわたります。たとえば、企業が年末年始のご挨拶状に使えるようなデザインや、季節ごとのギフトに添えるメッセージカード、また、オンラインミーティングで使用できる壁紙アート、オフィスの壁面装飾用のデジタルアートなど、実際の用途を想定したフォーマットで提供されます。さらに、プロダクトデザインや販促用のビジュアル素材としても使用可能で、Web広告やSNSキャンペーン、イベントのチラシなどへの展開も視野に入っています。

実際に生まれたクリエイティブ例としては、次のようなものがあります。

散歩の軌跡をモチーフにした、花瓶の装飾パターン

クレヨンで自由に描かれた絵を、クッションのファブリックデザインに応用

染め紙の模様を活かした、開業祝いのカードデザイン

はんこアートをベースにした、御中元用の包装紙ビジュアル

こうした素材を企業が購入することで、ただ「買う」だけでなく、「共創に参加する」という社会的な意味を持つ行動になります。素材には「どんな人が」「どのような行動から」作ったかという背景情報が紐づいており、それが企業のブランディングやCSR(企業の社会的責任)にも好影響を与える仕掛けです。

単なるチャリティではなく、商品やサービスの価値を高めながら、自然とインクルーシブな社会づくりに寄与できる。Poteerは、そんな“価値の循環”を生み出すプラットフォームでもあるのです。

共創の社会へ、一歩ずつ

Poteerの取り組みは、「創ること」や「働くこと」に対する私たちの固定観念をそっと揺さぶります。表現とは、特別な技術や言葉を持つ人だけのものではなく、誰かの日常の中にこそ、豊かな可能性が眠っているのだということを教えてくれるサービスです。

そして、その可能性をテクノロジーがそっと後押しする。誰かの視線や歩みが、社会にとっての価値となり、それがまた新たなつながりを生み出していく。Poteerは、そんな優しい循環を目指す仕組みです。

「支援する側」と「される側」という分断ではなく、同じ社会の一員として共に何かを生み出す。そうした共創の未来は、すでに始まっています。障害の有無にかかわらず、一人ひとりが自分らしいかたちで社会と関われるような環境が、少しずつ広がっていくことを願ってやみません。


サービス概要

「Poteer(ポティア)」は、障害の有無にかかわらず誰もが働く喜びを実感できる社会の実現を目指すAIクリエイティブ素材生成プラットフォームです。日常のささいな行動──視線の動きや歩行の軌跡、声のリズムなどをデータとして収集し、AIの力でデザインやビジュアルといった付加価値あるアウトプットへと変換します。散歩に出る、絵を描く、目の動きで意思を伝えるといった日常の営みを、社会とつながる新たな表現へと昇華させることで、障害がある方々の経済的自立と社会参画を支援していきます。

「Poteer」サービスサイト:https://corp.bajji.life/poteer
「Poteer」ギャラリーサイト:https://poteer.life/

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