住友金属鉱山が展開する「絶滅危惧野菜を救え」プロジェクトでは、熱を遮断しながら可視光線を透過させる近赤外線吸収素材「SOLAMENT(ソラメント)」を活用した農業への取り組みを進めている。その一環として、8月27日から8月31日までの5日間、東京・下北沢の商業施設「BONUS TRACK」を会場に、グルメイベント「絶滅危惧野菜ガーデン」を開催中だ。本イベントは、酷暑や担い手不足などを背景に生産量が減少し、“絶滅危惧”の危機にある在来野菜の現状や魅力を広く知ってもらうことを目的に企画されたもの。初日の午前にはプレス発表会が行われ、在来野菜を取り巻く現状や、SOLAMENTを活用した農業の可能性などが紹介された。
“絶滅危惧野菜”を使った5種の期間限定グルメが味わえるイベント
連日猛暑日が続く時期であることに加え、8月31日が「野菜の日」であることにちなみ開催されている本イベント。期間中、館内の人気店舗では、全国各地で生産された在来野菜を使ったコラボメニューが味わえる。

提供されるのは、『「佐土原なす」を使ったスパイス香るキーマカレー』(ADDA)、『「安納芋」を使った濃厚しっとりバターサンド』(YOYO)、『「三宝甘長とうがらし」の丸々一本グリルを使ったソイミートそぼろごはん』(Why_?下北沢)、『「おかひじき」を使ったおかかおかひじきおむすび』(お粥とお酒ANDONシモキタ)、『「国府なす」を使ったさっぱりジェノバソース野菜ピザ』(下北現像所)の計5品。



また、屋外の「ミニSOLAMENTハウス」では、“絶滅危惧野菜”の収穫体験も楽しめる(8/27、29、30のみ実施。参加には、公式インスタグラムをフォローのうえ現地で抽選応募が必要)。

猛暑の農業に活用機会広がるSOLAMENT
この日の発表会では、福岡ソノリクにて在来野菜を扱う八百屋「warmerwarmer」を展開する高橋一也氏、在来野菜の生産者である繫昌農園の繁昌知洋氏をゲストに招き、住友金属鉱山でSOLAMENTのプロジェクトリーダーを務める石橋佳祐氏を加えた三名によるトークセッションが行われた。

最近は、俳優・生田斗真出演のテレビCMでも話題のSOLAMENTは、住友金属鉱山が国内外の特許を有し、今年の春から展開している素材テクノロジーブランドだ。素材としてのSOLAMENTは酸化タングステンを中心とした金属化合物であり、太陽光に含まれる近赤外線を吸収して遮熱しつつ、可視光線を通すところが最大の特徴。よって、光は必要だが、暑さは避けたいという場所で重宝され、これまでは自動車や建築に活用されてきた。
同社は、SOLAMENTの新たな活用先として農業に着目。地面の温度上昇などによる作物の「熱がれ」を避けながら、光合成を促せるメリットを活かし、遮熱ネットを中心に応用されている。また、アパレルの分野では空調服への活用を実証実験中で、「外気温が36度の際に、既存の空調服に比べ首元の温度が9度ほど下がった実績もある」と石橋氏は語る。

一方、高橋氏は、国内自給率が約80%に上る野菜も、種子の国内自給率となると約1割程度にとどまるというデータを示し、在来野菜の存続を危惧。現状の課題として「環境の問題」「技術の問題」「コストの問題」を挙げ、「いろいろな工夫をしている中で、何か新しいヒントはないか」と生産者が試行錯誤を重ねる中、SOLAMENTへの期待が高まっていると述べた。

そして、実際にSOLAMENTを活用している手応えを尋ねられた繁昌氏は、年々暑さへの体感が高まっているリアルな実感を述べつつ、「特に野菜の苗に幕をかける被覆の作業で絶大な効果を感じている」とコメント。また、今は冬に収穫する作物の種蒔きの時期にあたり、「この過酷な環境の中、SOLAMENTを活用することで、発芽率が非常に上がっている」と話した。

なお、「絶滅危惧野菜を救え」プロジェクトでは、本イベント以外にも、生産農家への資材提供、ポップアップストアでの野菜販売、農業高校への教育プログラムの提供、子ども食堂での食育活動など、幅広い活動で在来野菜を未来に繋ぐ取り組みを展開中。石橋氏は、「こういった活動を通じて、在来野菜の良さだったり、遮熱素材の知識を伝えながら、世の中に貢献していきたい」と語る。農業でのSOLAMENT活用や絶滅危惧野菜のことが気になった人は、ぜひ特設サイトをチェックしてみてほしい。
「絶滅危惧野菜ガーデン」は、8月27日から8月31日まで東京・下北沢の「BONUS TRACK」で開催中。
