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猛暑を乗り切る救世主は「にごり酢」だった! 免疫力アップ&おいしさ倍増の“お酢の新常識”セミナーレポート

年々厳しさを増し、もはや「異常」ではなく「日常」となりつつある夏の酷暑。息苦しいほどの暑さの中、なぜか無性に「さっぱりとした酸っぱいもの」が食べたくなることはないだろうか。実はそれ、単なる気まぐれや好みではなく、疲弊した...
小畑彰弘 2026年6月24日

年々厳しさを増し、もはや「異常」ではなく「日常」となりつつある夏の酷暑。息苦しいほどの暑さの中、なぜか無性に「さっぱりとした酸っぱいもの」が食べたくなることはないだろうか。実はそれ、単なる気まぐれや好みではなく、疲弊した体が発している重要なサインかもしれないのだ。

お酢づくりの命であり、近年はコンブチャなどにも含まれることで注目を集めている「酢酸菌(さくさんきん)」。この酢酸菌の健康作用について情報発信を行う有志団体「酢酸菌ライフ」が、6月23日(火)にメディア限定セミナーを開催した。

テーマは「なぜ、夏はさっぱりが食べたくなる? 酷暑時代を乗り切る、お酢の新常識」。医師や醸造の専門家、そしてお酢メーカーのプロフェッショナルが登壇し、日本人が古くから受け継いできた“夏にお酢”の知恵と、その背景にある体のメカニズム、そして今注目の「にごり酢」の魅力について語り尽くした、当日の模様をレポートする。

「夏バテ」の悪化版!? 酷暑が引き起こす「免疫バテ」の恐怖

第1部に登壇したのは、イシハラクリニック副院長の石原新菜先生。「夏本番目前! 医師が教える『酷暑時代』の体づくり」と題し、過酷な夏を乗り切るための医学的なアプローチを解説した。

気象の世界では、35度以上を「猛暑日」、そして近年は40度を超える日を「酷暑日」と呼ぶようになっている。石原先生のクリニックでも、夏本番を前に「なんとなく不調が続く」と訴える患者が急増しているという。

その原因として挙げられるのが、いわゆる「夏バテ」。これは医学的な明確な定義はないものの、暑さや寝苦しさによる「疲労の蓄積」と、それに伴う「食欲不振」が連鎖して起こる“負のスパイラル”だと石原先生は語る。さらに恐ろしいのが、このスパイラルが「免疫力」にまで悪影響を及ぼすという事実だ。

「暑くなればなるほど、体を守る免疫抗体は減少することが分かっています。皮膚の表面温度が32度から35度に3度アップしただけで、唾液や腸の粘膜などに存在するIgA抗体は7分の1にまで下がってしまうのです。また、体温調節のために体の表面に血液が集まることで、最大の免疫器官である『腸』への血流が減り、免疫力がさらに落ちてしまいます」(石原先生)

疲労、食欲不振、そして免疫低下。この「免疫バテ」とも呼ぶべき最悪の連鎖を断ち切るために、石原先生が強く推奨するのが「お酢」、とりわけ「にごり酢」の活用だ。

スパイラルを断ち切るカギは、酢酸菌たっぷりの「にごり酢」

昔から夏には酢の物が良いとされてきたが、お酢には血流をスムーズにし、疲労回復や食欲増進を促す効果がある。しかし、一般的な透明なお酢には、免疫力を高める「酢酸菌」が含まれていない。

「お酢を製造する過程で、あえて濾過せずに濁ったまま残したのが『にごり酢』です。この濁りの正体である酢酸菌を摂取することで、腸にある免疫のスイッチ(TLR2とTLR4)が押され、免疫バランスが整います。疲労回復や食欲アップだけでなく、免疫にも良い効果をもたらしてくれるのが、にごり酢最大のポイントです」(石原先生)

石原先生自身も、毎朝のにんじんりんごジュースににごり酢を入れたり、夜の納豆ににごり酢をかけたりと、日々の生活に積極的に取り入れているという。納豆ににごり酢をかけると、ネバネバがふんわりとして食べやすくなり、味もまろやかになって非常におすすめとのことだ。

体が「酸味」を欲するのは、回復を求める危険回避のサイン

続く第2部では、東京農業大学 応用生物科学部 醸造科学科教授の前橋健二先生が登壇。「『暑い夏こそお酢』は、体からのサインだった 食文化からひも解く酸味の役割」をテーマに、人間とお酢の深い関わりを解き明かした。

本来、動物にとって「酸味」とは、腐敗などを示す“危険のシグナル”であり、本能的に避けるべき味覚である。しかし、人間は夏バテや疲労時に、なぜか酸味を「心地よい」と感じる。

「動物実験でも、くたくたに疲労した状態では酸味を好むことが分かっています。酸味物質は代謝を促進し、疲労回復に役立ちます。つまり、体が参っている時に酸っぱいものが食べたくなるのは、体を元気にするために酸味物質が必要だという、体からのサインなのです。人間は経験からそれを学び、必要なものを摂取した報酬として『美味しい』と感じるように進化してきました」(前橋先生)

お酢の歴史は古く、“世界最古の調味料”とも言われている。古代ギリシャでは医学の父・ヒポクラテスが治療に用い、14世紀のフランスではペスト流行時に感染対策として「ハーブ酢」が飲まれていた記録があるほど、その抗菌性や抗酸化性は高く評価されてきた。日本でも江戸時代の書物に「夏は酢の物」と記されており、古くから薬効が認められていたのだ。

進む「お酢離れ」。本来のお酢の姿「にごり酢」で美味しく健康に

しかし現代の日本において、家庭での食酢の消費量は、ピーク時(2004年)から約半減しているという悲しい現実がある。特に若年層の「お酢離れ」は顕著だ。その背景には、お酢特有の「ツンとした匂い」への苦手意識があるのではないかと前橋先生は推測する。

「現在市販されている多くのお酢は、製造の最終段階で酢酸菌を全て取り除き、透明で綺麗な状態にしています。品質は高い反面、酢酸菌が持つ健康効果の恩恵を受けられなくなっている側面もあります。酢酸菌を残した『にごり酢』こそが、本来のお酢の姿。ツンとした酸味の奥にある旨味、いわゆる“うま酸っぱい”味わいを楽しみながら、酢酸菌の力で健康的な食生活を送っていただきたいです」(前橋先生)

お酢の使い方の悩みを解決! キユーピー直伝「3分テクニック」

第3部では、マヨネーズの主原料としてお酢にこだわり続けるキユーピー醸造株式会社の加藤有紀子さんが登壇。「知っているようで知らなかったお酢の秘密 キユーピー直伝 3分テクニック」と題し、今日から使える実践的な活用法を伝授した。

酢酸菌ライフが行った実態調査によると、お酢が好きでも「酸っぱくなりすぎる」「入れる量がわからない」など、使い方に困ったり悩んだりした経験を持つ人が約6割に上ることが判明。そんな悩みを解決するテクニックとして、加藤さんは以下のポイントを紹介した。

1.酸味は「甘味・旨味」を引き立てる
トマトのような甘味や旨味を持つ食材は、お酢と合わせることで味のバランスが整い、おいしさがグッと引き立つ。

2.加熱のタイミングで働きが変わる
「お酢の酸味は、加熱することで味をつなぎ、深みを出す効果があります。味に深みを出したい時は『加熱前』に、後味を軽くさっぱりと仕上げたい時は『仕上げ』に入れるのがおすすめです」(加藤さん)

「にごり酢」は料理の味を決める万能調味料

さらに加藤さんは、「にごり酢」ならではの調理におけるメリットを強調した。

「にごり酢には、約200種類もの香味成分が含まれています。低分子ペプチドやアミノ酸が豊富で、一般的なお酢よりも旨味が強く、酸味がまろやかです。そのため、たくさん煮込んだような複雑な風味を簡単に出すことができ、料理の味が決まりやすくなります」(加藤さん)

酷暑でキッチンに立つのが億劫な時こそ、にごり酢を使えば手軽に深い味わいの料理が完成するというわけだ。

江戸の酸味文化を現代に。日本橋髙島屋で味わう「にごり酢」惣菜

セミナーの終盤には、特別ゲストとして日本橋髙島屋 食品部の五島敏之さんが登場した。日本橋髙島屋S.C.本館地下1階の惣菜売場では、6月30日までの期間限定で「にごり酢フェア」を開催している。

「江戸時代、お酢は醤油よりも文献の出現数が多く、非常に大衆的な調味料でした。今回、濾過しないお酢本来の味わいが料理を引き立てるという点に多くのブランド様が共感してくださり、現代の惣菜に江戸時代の伝統的な『にごり酢』を使うという再編集のアプローチを行いました」(五島さん)

会場では、実際にフェアで販売されている「菊乃井」の『5種の海藻ときくらげ・椎茸の酢の物』などの限定惣菜が試食として提供された。参加者からは、「お酢の風味がダイレクトに感じられるのに、嫌な酸味がなくまろやかで美味しい」と、にごり酢ならではの“うま酸っぱさ”に驚きの声が上がっていた。

厳しい暑さが予想される今年の夏。疲れた体を癒し、免疫力を底上げするためにも、先人の知恵と最新の科学に裏付けられた「にごり酢」を、日々の食卓に取り入れてみてはいかがだろうか。酸っぱさの奥にある深い旨味が、酷暑を乗り切るための活力となってくれるはずだ。

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