春になると、その街ならではの空気や景色を感じたくなる瞬間があります。そんな中で見つけたのが、学生たちが“自分たちの学ぶ街・三鷹”をテーマに生み出した、ちょっと特別な商品たちでした。
杏林大学の学生たちは、地域の洋菓子店や青果店と協力しながら、「杏林檎クッキー」や「陽だまりブーケプレート」を企画。単にスイーツを作るだけではなく、「三鷹の魅力をもっと知ってほしい」という想いを込めて、商品名やパッケージ、盛り付けの細部までこだわりながら形にしていったそうです。
学生と地域のお店が一緒になってアイデアを出し合い、実際に販売までつなげていく取り組みは、まるで街全体で学生たちの挑戦を応援しているようにも感じられます。
今回は、そんな杏林大学 木暮ゼミによる地域連携プロジェクトに注目しながら、“三鷹だからこそ生まれた商品”の魅力や、そこに込められた学生たちの想いを紹介します。
三鷹の街で広がる 学生たちの“地域とつながる学び”

大学生活というと、教室で授業を受けたり、レポートを書いたりするイメージを持つ人も多いかもしれません。ですが最近は、地域と関わりながら“実際に社会の中で学ぶ”取り組みも増えています。
今回注目した杏林大学総合政策学部・木暮ゼミの活動も、まさにそんな実践型の学びのひとつです。
木暮ゼミでは、地域社会との関わりを通じて課題解決力を身につけることを目的に、学生たちが主体となってさまざまなプロジェクトに取り組んでいるそうです。企業や地域店舗と連携しながら、自分たちでアイデアを考え、実際の形にしていくというスタイルは、教室の中だけでは得られない経験になっているのではないでしょうか。
今回の取り組みでは、三鷹市にある洋菓子店「うーおの森」と、青果店が運営するフルーツパーラー「Café Ichifuji」と連携。学生たちは商品コンセプトやデザイン、盛り付けアイデアなどにも関わりながら、地域の魅力を発信する商品づくりに挑戦しました。

印象的なのは、“学生が考えた企画を地域のお店が一緒に形にしている”という点です。
学生だけで完結する企画ではなく、地域店舗の協力があって初めて実現しているところに、三鷹という街ならではの温かさも感じられます。実際、打ち合わせの様子を写した写真からも、学生たちと店舗スタッフが一緒に話し合いながら進めている空気感が伝わってきました。
また、木暮教授はコメントの中で、「三鷹には想いのある方がとても多い」と語っています。学生たちの挑戦を地域全体で支えながら、一緒に三鷹の魅力を広げていこうとする関係性が、このプロジェクトの大きな魅力なのかもしれません。
大学で学ぶ時間は数年間ですが、その街で過ごした時間や、人とのつながりは卒業後も心に残り続けるものです。
“学ぶ場所”としてだけではなく、“自分たちが関わることで街の魅力を広げていける場所”として三鷹を感じられることは、学生たちにとっても特別な経験になっていそうです。
杏と林檎を詰め込んだ「杏林檎クッキー」 学生たちの想いが形になった焼き菓子

今回の地域連携プロジェクトの中でも、特に目を引くのが「杏林檎クッキー(きょうりんごクッキー)」です。
名前を見た瞬間、「どんな意味なんだろう?」と気になった人も多いかもしれません。
この“杏林檎”という名前には、杏林大学の「杏林」と、使用されている“林檎”が掛け合わされているそうです。さらに、「Kyorin Go!」という言葉にもつながっていて、三鷹を舞台に頑張る学生たちの背中を押したいという想いも込められています。
ただの商品名ではなく、学生たち自身の気持ちや地域への想いまで含めて考えられているところに、この企画らしさを感じます。
クッキーには、杏と林檎のセミドライフルーツに加え、三鷹産の甘夏の皮を使用。地域の素材を取り入れながら、“三鷹らしさ”を感じられる焼き菓子として作られています。
また、学生たちは商品の中身だけでなく、パッケージデザインにも関わっています。
杏の形をモチーフにしたパッケージは、かわいらしさがありながらも印象に残るデザインで、思わず手に取りたくなるような雰囲気があります。さらに、箱を開けた時にも楽しめるよう工夫されているそうで、細かな部分まで学生たちが試行錯誤しながら作り上げていった様子が伝わってきます。
学生コメントでは、「イメージを形にする過程は決して簡単ではなかった」と語られていました。
実際、商品開発は“アイデアを出せば終わり”ではありません。見た目、伝わりやすさ、販売時の印象など、考えなければいけないことは想像以上に多いはずです。その中で何度も試行錯誤を重ねながら完成させたからこそ、“たったひとつの特別な商品”という言葉にも説得力があります。

さらに印象的だったのが、卒業式や学内で実際に販売を行っている点です。
企画だけで終わるのではなく、自分たちで届けるところまで関わっているからこそ、学生たちにとっても強く記憶に残る経験になっているのではないでしょうか。
販売時の写真からも、商品を前にした学生たちの楽しそうな雰囲気が伝わってきました。地域のお店と一緒に作り上げた商品を、自分たちの手で届けていく――そんな流れそのものが、このプロジェクトの魅力なのかもしれません。
「杏林檎クッキー」は、杏林大学井の頭キャンパス内のコンビニ「LAWSON」や、杏林大学病院外来棟6階の「カフェ・ド・ルポ」などで販売されています。
地域の素材や学生たちの想いが詰まった焼き菓子として、三鷹ならではの魅力を感じられる商品になっていそうです。
花束みたいなスイーツ「陽だまりブーケプレート」に込められた春のアイデア

今回のプロジェクトでは、焼き菓子だけではなく、見た目にも華やかなオリジナルスイーツも企画されています。
それが、フルーツパーラー「Café Ichifuji」と共同で企画された「陽だまりブーケプレート」です。
名前の通り、花束のように盛り付けられたスイーツプレートで、写真を見ただけでも春らしい明るさが伝わってきます。色とりどりのフルーツが並ぶ様子は華やかで、“特別な日に楽しみたくなるデザート”という言葉がぴったりな印象です。
プレートには、春から初夏にかけて旬を迎える果物を使用。特にオレンジをふんだんに取り入れながら、果物そのものの魅力が引き立つよう工夫されているそうです。
単に“映えるスイーツ”を目指したというより、「旬の果物を主役にしたい」という学生たちの想いが感じられる企画になっています。
また、盛り付けにもかなりこだわっている様子が伝わってきました。

ゼミ生コメントでは、華やかさを出しながらも、それぞれの果物がしっかり引き立つようにバランスや配置を工夫したことが語られています。
フルーツが多いスイーツは、盛り付け次第で印象が大きく変わるものです。色合いや高さ、全体のまとまりなど、細かな調整を重ねながら完成させていったことが想像できます。
さらに今回の取り組みでは、学生たちがアイデアを出すだけでなく、店舗側も試行錯誤を重ねながら一緒に作り上げていったそうです。
実際の提供を想定した調整や細かな工夫など、現場ならではの視点に触れられたことは、学生たちにとっても大きな学びになったのではないでしょうか。
打ち合わせ写真からも、学生と店舗スタッフが真剣に話し合いながら企画を進めている様子が伝わってきます。
“大学の課題”として終わるのではなく、実際にお客さんへ届ける商品として形にしているからこそ、現実的な難しさや責任感もあったはずです。その分、完成した時の達成感も大きかったのではないかと思います。
「陽だまりブーケプレート」は、三鷹市にある「Café Ichifuji」で2026年5月30日までの期間限定メニューとして提供されています。
入学祝い、記念日、春のお出かけなど、“少し特別な日に楽しみたくなるスイーツ”として企画された今回のプレート。学生たちのアイデアと地域店舗の技術が合わさることで、三鷹らしい温かさを感じられるメニューに仕上がっているようです。
学生の挑戦を地域が支える “三鷹らしいつながり” が生んだプロジェクト

今回の取り組みを見ていて印象的だったのは、単に“大学とお店がコラボした”という話では終わらないところです。
そこには、学生たちの挑戦を地域が自然に支えながら、一緒に街の魅力を作っていこうとする空気が感じられました。
学生にとって、アイデアを考えることと、それを実際の商品として世の中に出すことの間には、大きな違いがあります。
どんなデザインなら手に取りたくなるのか。
どんな盛り付けなら魅力が伝わるのか。
お店として販売するには何が必要なのか。
実際に形にしていく過程では、学校の授業だけでは学べないことも多かったはずです。
だからこそ、地域店舗の存在はとても大きかったのではないでしょうか。
うーおの森やCafé Ichifujiのスタッフが、学生たちのアイデアに耳を傾けながら、一緒に試行錯誤を重ねていったからこそ、今回の商品やメニューが完成したように感じます。
学生たちにとっても、“地域のお店の人たちと一緒に何かを作り上げる経験”そのものが、大切な学びになっているのかもしれません。
木暮教授は、「三鷹には想いのある方がとても多い」とコメントしています。
この言葉からも、地域全体で学生たちを応援している雰囲気が伝わってきます。
街の中に、学生が挑戦できる場所があり、その挑戦を受け止めてくれる人たちがいる――。そんな環境があるからこそ、今回のような地域連携プロジェクトが実現しているのでしょう。
また、今回の取り組みは、商品そのものだけではなく、“三鷹という街で学ぶ意味”も感じさせてくれる内容でした。
大学生活は、授業やアルバイト、友人関係などであっという間に過ぎていくものですが、その街と深く関わった経験は、卒業後も記憶に残り続けることがあります。
地域のお店と話し合いながら商品を作ったこと。
自分たちで販売を行ったこと。
誰かに商品を手に取ってもらえたこと。
そうした経験は、単なる“授業の成果”ではなく、学生たちにとって三鷹という街そのものを特別な場所に変えていくのかもしれません。
地域と学生がゆるやかにつながりながら、新しい魅力を一緒に作っていく――。
今回のプロジェクトには、そんな“三鷹らしい温かさ”が自然とにじんでいるように感じました。
三鷹だからこそ生まれた 学生たちの“想いを届ける商品”
今回の杏林大学 木暮ゼミによる地域連携プロジェクトは、単なる商品開発ではなく、“自分たちが学ぶ街の魅力を発信したい”という学生たちの想いから生まれた取り組みでした。
地域のお店と一緒にアイデアを形にし、試行錯誤を重ねながら完成した「杏林檎クッキー」や「陽だまりブーケプレート」。そこには、商品そのもののおいしさや見た目だけではなく、人とのつながりや街への愛着も込められているように感じます。
学生たちの挑戦を地域が支え、地域の魅力を学生たちが発信していく――。そんな循環が自然に生まれているところに、今回のプロジェクトの大きな魅力があるのではないでしょうか。
これから先も、三鷹という街から、学生たちならではの新しいアイデアや地域連携の取り組みが生まれていくのが楽しみです。
学校法人杏林学園 概要

学校法人杏林学園は1966年創立。医学部・保健学部・総合政策学部・外国語学部を設置し、地域社会との関わりを大切にした実践的な教育にも力を入れています。
東京都内に複数のキャンパスや附属病院を展開し、学生たちが学びを社会の中で活かせる環境づくりを進めています。今回のような地域連携プロジェクトにも積極的に取り組み、学生主体の活動を通じた新しい学びの形を発信しています。
