関西・関東・東海エリアで老人ホーム入居者仲介事業を展開する株式会社老人ホーム紹介センターは、車椅子体験や棒サッカーなどのプログラムを通じた高齢者との交流や、介護体験を行うイベント「子どもプロジェクト」を、ガンバ大阪の協力のもと、2026年4月19日にパナソニックスタジアム 吹田で開催。
本プロジェクトの開催背景や、高齢者と子どもの交流の意義などについて、同社の代表取締役社長を務める看舎桂太氏にお話を伺いました。
子どもの「楽しい」というきっかけを提供したい
日本では少子高齢化の進行に伴い、介護人材不足が深刻化。
総務省統計局によると、2025年の65歳以上の人口は約3,650万人で、総人口の約3割となり、過去最高水準に。
その一方で、厚生労働省の推計によると、2040年には介護職員が約69万人不足するとされ、介護業界の人材確保は喫緊の課題。
そのため、若年層や子ども世代に対して早期から介護の仕事を知ってもらう取り組みが、全国で広がりつつあります。
老人ホーム紹介センターでは、将来を担う子どもたちに、高齢者や介護業界へ興味・関心をもってもらい、魅力を感じてもらうきっかけづくりとして、2023年から子どもプロジェクトを始動。
子どもと高齢者が交流するさまざまなイベントやコンテンツを提供しています。
看舎代表に、本プロジェクトを始めたきっかけについて伺うと、

「本プロジェクトは、“楽しいというきっかけを提供したい”ということが、1番のコンセプトになっています。誰もがいずれ必ず通る『介護への道』ですが、このままだと、私たちが高齢者になった時に隣に立つのが、ロボットになる未来が個人的には想像できてしまう。それを指を加えて眺めているだけというのが、私はすごく嫌だったんです。」
と、今のAI・ITが進化を続ける中、将来的に人の手を介さない介護が当たり前になってしまうことへ危機感を覚えたのだそう。
「今から子どもプロジェクトというものを通じて、子どもたちに介護ってこういうところで、こういう高齢者がいる。こういう風に車椅子を押してあげてね、こういう風に認知症の方に声かけしてあげてね、といった(介護業界を知る)きっかけを提供しないと、高齢者の方と接する機会が少ない子どもには分からないと思うんですよ。」
と説明しました。
現代の子どもたちは、核家族化や生活様式の変化により、高齢者との交流が年々希薄になっています。
そんな暮らしの中で大人になった時に、介護業界へ興味をもってもらうことは難しいのではないか、と語る看舎代表。

また普通に介護体験の機会を提供しようとしても、子どもたちはあまり興味を示さないうえに、親たちも「子ども同士で遊ばせた方がよい」「塾に行かせた方がいい」と考えてしまうと指摘。
そんな人たちに介護業界への興味・関心を持ってもらうきっかけとして、子どもプロジェクトを立ち上げたのだと教えてくれました。
「私たちは、約1時間のこの介護体験を通して、アルバイト代という名目で子どもたちに独自通貨をお渡ししています。約1,000円分のポイントを渡し、そこで文具やグッズ、今回のイベントではガンバ大阪さんのグッズなどを用意して、買い物体験も行ってもらっています。(自分で稼いだお金で)物を買う喜びや楽しさを知ってもらい、そんな『子どもが楽しい』という気持ちを持つきっかけを提供したいな、ということが核となっています。」
子どもたちに楽しんで体験してもらえる場として、子どもプロジェクトを行ってきたという看舎代表。
これまで行った子どもプロジェクトのイベント後には、触れ合いを通して子どもたちと高齢者の距離が非常に近くなり、子どもたちはおじいちゃん・おばあちゃんと、高齢者の方は孫と接しているような感覚で交流を楽しんでいたと語りました。
ガンバ大阪と協力して行う交流イベントへの期待
今回の子どもプロジェクトのイベントは、ガンバ大阪とタッグを組み、同チームのホームスタジアムであるパナソニックスタジアム 吹田にて実施。

イベント当日は、車椅子の「押す側」「乗る側」に分かれての車椅子体験を行い、子どもたちは車椅子に乗っている方の感覚や、車椅子を押すことの大変さなどを学びました。
その後、高齢者と一緒にサッカーを題材にしたレクリエーション「棒サッカー」も実施。

子どもチームVS高齢者チームの真剣勝負が繰り広げられ、イベントは大盛り上がりとなりました。

約1時間の体験の後は、お楽しみである買い物体験の時間。
子どもたちは、受け取ったポイントでそれぞれ自由に買い物を楽しみました。
子どもプロジェクトでは「高齢者の気持ちを考えること」を意識しているという看舎代表。

「車椅子1つにしても、乗った時の怖さや押す側の配慮、また認知症の方について理解してもらえるようなお話などを(イベント中に)させていただいております。また、足の不自由な方や手が不自由な方もいらっしゃる中で、こういった日々のレクリエーションを通して、軽度な運動をしているということを知ってもらっています。」
と説明し、遊びを通じて楽しみながらも「介護業界の情報」をしっかりと伝えているのだと語りました。
また今回のイベント後には、ガンバ大阪協力のもと、試合前の演出をサポートするベアラー体験も実施。

子どもたちはスポーツと介護の体験を通じて、楽しい思い出だけではなく、介護業界への理解にもつなげられた有意義なイベントとなりました。
今後は年間で10回以上の交流イベント開催を目指すという看舎代表は、
「介護というものが『特別な場所』にならないためにも、自分たちがしっかり会社という仕事場を通して、介護の魅力を伝えていくことで、介護というものに対して当たり前に学べる、知れる場所を提供しないといけないですし、これからもっと向き合っていかなければいけないと思っています。」
とコメント。
「子どもプロジェクトを通じて、将来介護業界で働く人や、今回のイベントをきっかけにサッカー選手を目指す人と将来出会えたらうれしい」と語るとともに、今後も子どもプロジェクトを老人ホーム紹介センターのCSR活動として継続していくと意気込みました。
子どもプロジェクト:https://roujinhomesc.jp/csr/
