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味噌汁だけじゃない! 驚きの進化を遂げた「フリーズドライ食品」の最前線をレポート

「フリーズドライ食品」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべるだろうか? お湯を注ぐだけの味噌汁? それともインスタントコーヒー? あるいは宇宙食のような少し特殊な食べ物……。おそらく、多くの人のイメージはそのあたりで止まっ […]
小畑彰弘 2026年2月17日

「フリーズドライ食品」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべるだろうか?

お湯を注ぐだけの味噌汁? それともインスタントコーヒー? あるいは宇宙食のような少し特殊な食べ物……。おそらく、多くの人のイメージはそのあたりで止まっているのではないだろうか。

しかし、実は今、フリーズドライの世界がとんでもない進化を遂げているのだ。

長期保存ができ、持ち運びにも便利。それでいて、作りたての「生の味わい」を損なわずに楽しめる。そんな魔法のような技術が、私たちの食卓を大きく変えようとしている。

その最前線を体感すべく、2026年2月16日(月)、東京・銀座NAGANOで開催された「アスザックフーズ ラウンドテーブル」に参加してきた。乾燥食品のパイオニアが語る驚きの技術と、実際に味わって分かったフリーズドライの「今」をレポートする。

そもそも「フリーズドライ」って何?

言葉はよく耳にするけれど、具体的にどうやって作られているのかを知る人は意外と少ないフリーズドライ。アスザックフーズの説明によると、フリーズドライとは「食品を凍らせたまま、真空状態で乾燥させる技術」のこと。

通常、水は100℃で沸騰するが、気圧の低い場所(富士山の山頂など)ではもっと低い温度で沸騰する。さらに真空状態(宇宙空間のような状態)にすると、氷は溶けて水になることなく、一気に水蒸気へと変化する。これを「昇華」と呼ぶ。フリーズドライは、この昇華を利用して、マイナス30℃で凍らせた食品の水分を抜く技術なのだ。

この製法には、大きく3つのメリットがある。

・栄養成分の変化が少ない
過度な熱を加えないため、ビタミンCなどの熱に弱い栄養素も乾燥前後でほとんど失われない。

・軽くて持ち運びに便利
水分が抜けるため、重さは加工前の約10分の1になることも。登山やキャンプ、非常時の備えに最適だ。

・長期間の保存ができる
水分が極端に少なくなるため菌が繁殖できず、保存料を使わなくても常温で長期間(1年〜1年半など)保存が可能になる。

「スープ以外」がアツい! フリーズドライ市場の今

フリーズドライ市場は年々拡大を続けている。アスザックフーズによると、フリーズドライ味噌汁の市場はこの5年間で約143%伸長。スープ市場も110%の伸びを見せている。コロナ禍を経て定着した「ローリングストック」の需要や、簡便・時短ニーズの高まりが背景にある。

現在、ブロック状のフリーズドライ製品の約90%はスープや味噌汁類が占めているが、注目すべきは残りの10%。ここにはスープ以外のユニークな商品が含まれており、今後さらに伸びる見込みだという。アスザックフーズは、この「スープ以外」の可能性にいち早く着目。他社にはないユニークな商品開発に挑戦し続けている。

【アスザックフーズ株式会社について】
今回ラウンドテーブルを開催したアスザックフーズは、長野県須坂市に本社を置く乾燥食品メーカーだ。1963年、当時の農産物相場の暴落に苦しむ農家を救うため、余剰野菜を乾燥食品として有効活用しようと創業された。

同社が大切にしている理念が「Farm to Fork(畑からフォークまで)」。

安全でおいしい商品を届けるため、長野県とベトナムに自社農園を保有。原料となる野菜の栽培から、研究開発、製造、販売までを一貫して管理する体制を整えている。乾燥野菜の取扱数は国内最大級を誇り、まさに乾燥食品のパイオニアといえる企業だ。

驚きの商品ラインナップと実食レポート

ラウンドテーブルでは、同社の技術力が詰まった注目の商品が紹介された。実際に記者が試食して感じた驚きとともに紹介する。

まるですりおろしたて!「国産長芋とろろ・大根おろし」

「とろろや大根おろしがちょっとだけ欲しい。でも、すりおろすのは面倒だし手も痒くなる……」。そんな悩みを解決するのがこの商品。水を注ぐだけで、あのおろしたての食感が蘇る。

フリーズドライ国産長芋とろろ

水をかけると、一瞬でネバネバのとろろに変身。食べてみると、長芋特有のシャキッとした食感と粘りが完全に再現されている。かつおと昆布の出汁が効いていて、ご飯にかけるだけで絶品のとろろご飯に。量産化まで10年かかったという開発者の執念を感じる一品だ。

フリーズドライ大根おろし

こちらも水を注ぐだけで完成。驚くべきはその「香り」。ベトナムの自社農園で育てた大根を収穫後2日以内にすりおろし、すぐに加工しているため、まるですりおろしたばかりのような大根のフレッシュな香りが鼻に抜ける。辛味は控えめで、卵焼きや焼き魚に添えるのにぴったり。

牛乳がスイーツに早変わり「信州りんごフルーツミックス」

2026年3月発売の新商品。冷たい牛乳を注いで混ぜるだけで、果肉入りのフルーツミルクが出来上がる。独自の技術により、冷たい牛乳でもサッと溶けるのが特徴。信州産りんご、いちご、バナナの3種のフルーツを使用しており、牛乳が苦手なお子様でもゴクゴク飲める味わいだ。

試食してみると、りんごのシャキシャキとした果肉感がしっかり残っていて驚き。カルシウムも手軽に摂れるため、朝食やおやつに最適だと感じた。

夏の食欲不振に「紀州梅ととろろ昆布のスープ」

夏の食欲不振に「紀州梅ととろろ昆布のスープ」

お湯だけでなく、冷たい水でも戻せるスープ。梅の酸味と昆布の旨味が絶妙なバランスだ。開発のヒントになったのは、江戸時代の調味料「煎り酒」。着色料不使用で、梅本来の色と味わい生きている。

今回は焼きおにぎりにかけて出汁茶漬け風にしていただいたが、さっぱりとした酸味が食欲をそそり、サラサラと食べられた。夏の暑い日や、体調が優れない時にも重宝しそうだ。

通販限定のユニークな商品たち

会場では、通販限定のオリジナル商品も紹介された。

ゆず香る水戻しそうめん:水を注ぐだけで素麺が完成する、暑い時期の救世主。

いちごの雪解け:いちごにチョコを染み込ませてフリーズドライしたお菓子。口に入れると「サクッ」とした後に「ホロッ」と溶ける新食感で、SNSでも話題とのこと。

未来の食卓は「すべてフリーズドライ」になるかも?

質疑応答の時間、記者は「チキンソテーのような大きな食材もフリーズドライにできるのか?」と質問してみた。これに対し、アスザックフーズの担当者は「肉の厚さや部位によるが、技術的には可能性はある」と回答。

すでにハンバーグやすき焼きといった「メインディッシュ」も商品化されていることを考えると、私たちの食卓に並ぶ料理がすべてフリーズドライになる未来も、そう遠くはないかもしれない。

和風おろし直火焼きハンバーグ(2022年に通販のみで発売 ※再販予定無し)

国産牛肉のすき焼き

「インスタント=手抜き・体に悪い」というイメージはもはや過去のもの。保存料無添加で、素材そのものの栄養とおいしさを閉じ込めたフリーズドライ食品は、忙しい現代人の健康を守る「賢い選択」といえそうだ。

百聞は一食にしかず。みなさんもぜひ一度、進化したフリーズドライ食品を味わってみてほしい。その「生に近い」おいしさに、きっと驚くはずだ。

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