企業を選ぶという行為は、かつては給与や勤務地、福利厚生といった「条件」の比較が中心であった。しかし現在、ビジネスパーソンが意思決定を行う際に参照する情報は大きく変化している。公式サイトや会社案内よりも先に検索されるのは口コミやレビュー、メディア掲載実績といった“第三者の声”である。企業が自ら語る魅力よりも、他者がどう評価しているかが信頼性を測る物差しになっているのだ。この傾向は転職市場だけでなく、営業活動や新規取引の場面にも広がっている。信用は主観ではなく、客観的な評価として可視化される時代に入ったのである。そこで今回、株式会社ラフリエ(https://www.laugh-lier.co.jp/)は、「経営者・一般社員における“第三者評価”の重要性」に関する調査を実施した。
7割が参考にする「企業評価」という決定打

まず注目すべきは、「第三者からの評価が高い企業」に対する印象である。経営者の60.7%、一般社員の45.4%が「信頼できる会社」と回答しており、両者に共通して“信頼”が最上位に挙げられている。また、「社会的に評価されている」という回答も経営者48.5%、一般社員38.7%と高水準である。第三者評価は単なる評判ではなく、企業の信用力や社会的価値を裏付ける指標として受け止められているのである。

こうした印象が、実際の転職行動にどう影響しているのか。転職先を選ぶ際にその企業が「どのように評価されているか」を参考にするかという問いに対して、「とても参考にする」が13.7%、「やや参考にする」が55.6%と、合計で約7割に達した。一方、「まったく参考にしない」は8.9%にとどまる。企業評価は参考情報の一つではなく、多くの求職者にとって意思決定の前提条件になっていることが分かる。

さらに、経営者インタビューやメッセージを重視するかという問いでは、「とても参考にする」9.5%、「やや参考にする」47.8%で、合計57.3%が一定程度重視している。しかし、その割合は前問の“企業評価”よりも低い。つまり、企業自身の発信よりも第三者からの評価の方が、より強い影響力を持っているという構図が浮かび上がる。
転職市場において、信頼は企業が語るものではなく、周囲が語ることで形成される時代に入った。第三者評価は、企業の未来を左右する重要な判断材料なのである。
商談・採用・投資、信頼が動かす意思決定

自社の魅力を伝えるうえで、第三者による「客観的な評価」は有効か――この問いに対し、経営者の77.8%(「とても有効だと思う」29.3%、「やや有効だと思う」48.5%)、一般社員の70.3%(同18.7%、51.6%)が肯定的に回答した。立場の違いを越えて、多くが第三者評価を“有効な武器”と認識していることが分かる。
特に経営者側では、「まったく有効だと思わない」は7.3%にとどまり、客観的評価を積極的に活用すべきという意識が強い。企業の自己発信だけでは伝えきれない信頼や実績を、外部の視点が補完するという理解が広がっているのである。

では、その“信頼性”はどの場面で重視されるのか。経営者の回答では、「顧客や取引先との契約・商談時」が60.1%と最も高く、「新規顧客の獲得・問い合わせ時」44.0%が続く。企業間取引において、信頼性は商談の土台であり、成約率を左右する要素と認識されていることが明らかだ。
一般社員側でも、「顧客や取引先との契約・商談時」44.4%が最多で、「新規顧客の獲得・問い合わせ時」32.7%、「採用活動(応募者からの印象)」26.0%が続く。信頼性は営業活動だけでなく、採用や広報といった対外的接点全般に影響を及ぼしているのである。つまり、第三者による客観的評価は単なるイメージ向上策ではない。契約、採用、投資判断といった具体的な意思決定の場面で機能する“信用インフラ”である。企業の信頼性は抽象概念ではなく、実務の現場で重視される実践的価値なのである。
商談前に始まっている“評判チェック”

経営者に対し、「取引先企業の評判はどのくらい気になるか」と尋ねたところ、「とても気になる」23.2%、「やや気になる」50.7%となり、実に73.9%が何らかの形で強く意識していることが明らかになった。「まったく気にならない」は7.0%にとどまり、取引先の評判は経営判断における無視できない要素であることが分かる。
企業間取引は、金銭的なリスクだけでなく、自社のブランド価値にも影響を与える。信用力に疑問符がつく企業と関係を持つことは、自社の信頼性にも波及しかねない。そのため、経営者は取引先の実績や世間の評価、外部からの評判を慎重に見極める必要があるのである。

さらに、「新たな企業との取引を検討する際、その企業に関する客観的な情報や評判をどのくらい参考にするか」という問いでは、「とても参考にする」26.7%、「やや参考にする」51.7%と、合計78.4%が参考にすると回答した。評判は“気になる”だけでなく、実際の意思決定材料として活用されていることが明確になった。
この結果は、第三者評価が採用活動だけでなく、BtoB領域においても重要な役割を果たしていることを示している。経営者にとって、評判は抽象的なイメージではない。リスク管理であり、信用確認であり、最終的な取引可否を左右する判断基準なのである。企業の信頼は外部からどう見られているかによって測られる時代に入っているのである。
ビジネスだけではない、日常に広がる「第三者評価」依存

第三者評価の影響は、採用や取引といったビジネス領域にとどまらない。「あなたが何かを選択する際、第三者の評価や口コミなどをどのくらい参考にしますか」という問いに対し、経営者の71.4%(「とても参考にする」18.7%、「やや参考にする」52.7%)、一般社員の63.3%(同12.1%、51.2%)が参考にすると回答している。
経営者、一般社員という立場の違いはあっても、意思決定の場面で“他者の評価”を参照する行動様式は共通している。商品購入、サービス選択、店舗選びなど、あらゆる選択において口コミやレビューが前提情報となっている現実がある。評価社会は一部のビジネス判断に限られた現象ではなく、日常生活の中に深く根を下ろしているのである。
企業にとって重要なのは、この“選択の習慣”を正しく理解することだ。人は企業の発信をそのまま受け取るのではなく、第三者の声を通して意味づけを行う。評価は外部に存在するものではなく、消費者や取引先の意思決定プロセスそのものに組み込まれているのである。
調査概要:「経営者・一般社員における“第三者評価”の重要性」に関する調査
【調査期間】2026年1月26日(月)~2026年1月27日(火)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,013人(①509人/②504人)
【調査対象】調査回答時に①経営者/②一般社員であると回答したモニター
【調査元】株式会社ラフリエ(https://www.laugh-lier.co.jp/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
信頼は戦略になる時代
今回の調査が示しているのは、単なる意識変化ではない。第三者評価は、採用活動、営業戦略、ブランディングのすべてに影響を及ぼす経営課題であるという事実だ。求職者は企業の“評判”を基準に未来を選び、経営者は“評価”を基準にパートナーを選ぶ。信用は主観ではなく、可視化されたデータとして蓄積される。その積み重ねが企業価値を形成していく。
企業が成長を目指すのであれば、発信だけでなく「どう評価されているか」を正面から捉える必要がある。第三者評価は受け身の結果ではなく、戦略的に向き合うべき経営資源なのである。信頼は偶然に生まれるものではない。積み上げ、磨き、可視化されてこそ、競争力となるのである。
