お客さんの声をどう活かすか――。それは今、多くの企業が頭を悩ませているテーマのひとつです。アンケートやレビュー、SNSの投稿など、ユーザーから寄せられる情報は年々増え続けていますが、それを分析し、サービス改善につなげるには、多くの労力と時間が必要でした。「せっかく集めた声が、結局使いこなせないまま終わってしまう」。そんな現場の悩みに対して、AIの力を借りて状況を大きく変えようとする新しいサービスが登場しました。
Asobica(アソビカ)が新たにリリースした「coorum report(コーラムレポート)」は、顧客の声を一元的にまとめ、自動で分析し、さらに改善提案まで行ってくれるという画期的なツールです。すでに大創産業やエー・ピーホールディングス、北陸製菓といった企業で導入が進んでおり、リテールや飲食、メーカーなど業種を問わず関心が高まっています。今回はこの「coorum report」がどんなサービスなのか、そしてなぜ今注目されているのかを、AIの進化とともに読み解いてみたいと思います。
顧客の声にどう向き合うかという課題
商品やサービスをより良くしていくうえで、「お客さまの声」は欠かせない情報源です。企業は日々、アンケート、レビュー、SNS、問い合わせなど、さまざまな形でユーザーからの反応を受け取っています。しかし、そうした“ホンネ”をしっかりと拾い上げ、そこから課題を見つけて改善に活かすのは、決して簡単なことではありません。情報の量が多く、内容もバラバラなため、収集から分析までにかなりの時間と人手がかかってしまうのが現状です。
また、分析結果をどのように社内で共有し、実際の改善につなげていくかという点でも、多くの企業が壁に直面しています。「せっかくお客さまの声を集めたのに、活かしきれないまま終わってしまう」――そんなジレンマを抱える企業は少なくありません。こうした背景を踏まえると、顧客の声をどう管理し、どう活かすかは、今や業種を問わず共通の課題となっていると言えるでしょう。
ホンネに耳を傾けるAI「coorum report」ができること

こうした課題に対して、AIの力を使って抜本的に向き合おうとしているのが、Asobica(アソビカ)が新たに提供を開始した「coorum report(コーラムレポート)」です。このツールは、顧客の声の収集から分析、改善提案の作成に至るまでを自動化できるのが大きな特徴です。SNSの投稿やアンケート結果、レビュー、お問い合わせといった多様な「声」だけでなく、商品情報や顧客IDなどのデータも含めて統合し、それらをAIが分析することで、商品やサービスに潜む課題や価値を可視化します。
このプロダクトの中核を担っているのが、Asobica独自のAIエージェント「ホンネAI」です。膨大なデータの中から重要なインサイトを抽出し、顧客の行動傾向やニーズの変化を読み解いてくれる存在で、「分析結果を読み取るだけ」で終わらせず、「ではどう改善すべきか」という提案まで自動でまとめてくれる点が特長です。商品開発やマーケティング、SNS運用、店舗戦略など、活用の幅は広く、部門ごとに最適化された提案書を出力できる点も魅力のひとつです。
すでに、大創産業(ダイソーを展開)、エー・ピーホールディングス(塚田農場など外食事業)、北陸製菓(お菓子メーカー)といった企業が導入を始めており、リテール、外食、メーカーといった顧客接点の多い業界を中心に注目が集まっています。
“声”の山からヒントを見つけ出す新しい仕組み

バラバラだった「顧客の声」をひとつにまとめる

アンケート、SNS、商品レビュー、問い合わせなど、顧客の声はさまざまな場所に散らばっており、企業内でも部門ごとに管理方法が分かれていることが少なくありません。こうした情報を一つのデータベースに集約し、統合的に把握できるようにするのがこの仕組みの出発点です。
さらに、商品マスタや顧客IDといった自社の保有データとも連携させることで、「どのような顧客が、どんな商品について、どのような声を発しているのか」といった視点での分析が可能になります。点在していた声を、ひとつの視点から読み解ける状態に整えることで、より的確な意思決定がしやすくなります。
読み解くだけでなく、提案までAIで自動化

集めた声をどう読み解き、改善につなげるか。それは長年、経験や勘に頼る部分が多かった領域です。このプロダクトでは、Asobica独自のAIエージェント「ホンネAI」が中心となり、こうした分析を自動で担います。
購入理由や利用実態、要望や問い合わせなどを自然言語のまま仕分けし、意味のつながりを捉えてグループ化。こうした文脈理解を通じて、自由記述のような定性的な情報を、数字で評価できるかたちに整理します。人手では難しかった、スピード感ある分析とレポート作成が、驚くほどスムーズに進められます。
気づきで終わらせない 次の一手をAIが示す

分析結果が出ても、「で、次に何をすればいいのか」が見えなければ活用しきれません。このツールは、商品企画、販促、店舗運営、SNS運用など、さまざまな現場に合わせたアクションヒントを自動で提示します。
単なる気づきにとどまらず、具体的な改善案のヒントが得られることで、施策のスピードと実行力が向上。属人化しがちなインサイト活用を組織全体に広げることで、顧客体験の向上を現実的なアクションへとつなげるサイクルが生まれます。
現場からのリアルな声も
すでに「coorum report」を導入している企業からは、さまざまな期待の声が寄せられています。

ダイソーを展開する大創産業では、これまで分散していた顧客の声を一元管理し、ブランド改善に活かすための手段として活用を開始。部門ごとに見ていた声を統合し、より俯瞰的に捉える視点を得られることに価値を感じているといいます。

飲食事業を手がけるエー・ピーホールディングスでは、顧客からの意見を従業員のアイデアにどう還元するかが長年の課題でした。AIによる分析と提案の自動化により、「何をすべきか」を現場レベルで共有できる点に注目しています。

お菓子メーカーの北陸製菓では、商品開発やブランド戦略を進めるうえで、顧客の本音を見逃さないための仕組みとして導入。VOC(Voice of Customer)の活用精度を高め、競争力のある商品づくりにつなげたいとしています。
それぞれの企業に共通しているのは、「顧客の声を活かしたい」という強い意志と、それを「現場で使える情報」に変える手段として、AIによる支援を歓迎しているという点です。
今後の展望と可能性
Asobicaはこれまで、顧客とのオンライン接点を活用しながら、「本音」を軸としたプロダクト開発に注力してきました。今回ローンチされた「coorum report」は、そうした取り組みの集大成とも言える存在で、顧客の声を網羅的に把握し、自動でアクションにつなげる仕組みによって、企業の意思決定スピードを大きく引き上げることを目指しています。
今後は、こうしたゼロパーティデータ(ユーザーが自ら提供する本音の情報)をベースに、AIエージェント機能をさらに進化させ、より多くの業務領域に対応できるマルチプロダクト化を進めていく方針です。
目指すのは、生活者が「買ってよかった」と心から思えるような顧客体験の創出。その先には、単なる企業支援にとどまらない、社会全体への価値提供が据えられています。
AIは「声を拾う」だけでなく「活かす」時代へ
顧客の声を集め、分析し、そして次の一手へとつなげる。しかもそれを、スピード感を持って、誰でも扱えるかたちで実現する。
かつては限られた部門や専門職だけが担っていたこの流れが、今ではAIによって広く、効率的に回せる時代になりつつあります。
「coorum report」は、単なる分析ツールではなく、企業の中に埋もれていた“ホンネ”を出発点に、より良い商品や体験づくりを支援する実用的な仕組みです。人の目だけでは気づけなかった声を拾い上げ、組織全体で共有し、具体的な行動につなげる――その流れが自然に回り始めることで、顧客との関係性も確実に変わっていくはずです。
AIが「活かす」フェーズに入った今、企業の取り組みもまた、新たな段階に進もうとしています。
coorum HP:https://coorum.jp/