日本で「ポスト・イット(R)製品」が発売されてから、今年で45年の節目を迎える。オフィスでお馴染みの黄色い付箋。誰もが一度は目にしたことがあるだろう。デジタル化が加速する現代においても、その根強い人気は健在だ。昭和から令和へと時代が移り変わるなか、付箋の役割は「業務用のメモ」から「プライベートのコミュニケーションツール」へと確かな進化を遂げている。
ポスト・イット(R) ノート、誕生の背景
マーケティングの教科書にも度々登場する、ポスト・イット誕生のユニークなエピソード。そのはじまりは、1968年の「失敗」だった。3Mの科学者であるスペンサー・シルバーは、強力な接着剤の開発中、「よくつくけれど、簡単にはがせる」という奇妙な粘着剤を偶然作り出してしまう。本来の目的とは異なる失敗作。しかし彼はこれを捨てず、社内の人々に紹介して回った。それから5年後の1974年。もう一人の科学者、アート・フライがこの粘着剤の使い道を見出す。毎週末、教会で賛美歌を歌っていた彼は、しおり代わりの紙切れが落ちてしまうことにストレスを感じていた。「あの、きれいにはがせる糊を塗ったしおりを作ろう」。このアイデアの転換から開発が進み、書類の目印や糊付きメモとして1980年に全米で発売。翌1981年には日本でも発売され、今や世界100カ国以上で愛される大ヒット商品となった。
デジタル時代に再評価、付箋が生む“幸福”と恋のきっかけ!?
スリーエム ジャパンが15〜64歳を対象に実施した調査で、興味深い事実が明らかになった。付箋使用経験者のうち、約8割が現在も使用を継続。驚くべきは、デジタルネイティブである10代においても約7割が使用していることだ。

さらに10代の「友人」への利用率は、50代のなんと6.1倍。「感謝」や「応援」の気持ちを伝えるツールとして大いに活用されている。
手書きの付箋を選ぶ理由として挙げられたのは、「温かみがある」「気持ちがより伝わる」といった感情面。若い世代ほど、デジタルよりも丁寧なコミュニケーション手段として付箋を高く評価している。

同社コンシューマービジネスグループ プロダクトマーケティング部の道念雅子さんは、先行取材会で次のように語った。

「比較的高い年齢層の方々は実用面を評価してお使いになっている一方で、20代を中心とした若い世代では、感情的な面を評価して付箋を選ばれていることがわかりました。デジタルでのコミュニケーションが一般的であるからこそ、付箋が温かみの伝わるツールとして捉えていただいているのだと伺えます」
さらに、付箋を利用してよかったこととして、20〜30代は「人間関係が良好になった」と感じる傾向が強く、100人に1人以上(1.3%)が「恋人ができた・結婚した」と回答。また、付箋でメッセージをもらった経験がある人ほど「幸福だと感じる」割合が15pt以上高いという結果も出た。人の心と心を繋ぐアイテムとして、付箋の力が見事に証明された形だ。

言葉を優しく包み込む。新製品『SUISAI Fusen Collection』
こうした調査結果を踏まえ、「言葉は贈り物」をテーマに新たに開発されたのが『ポスト・イット(R) ノート/付箋 SUISAI Fusen Collection』だ。

水彩画のような繊細な淡い色彩と、やさしい「ふきだし」をモチーフにしたデザイン。言葉が広がっていく感覚や、使う楽しさを巧みに表現している。
「いつものポスト・イットでは少し事務的に見えてしまうような言葉も、この水彩付箋を使っていただくと、ちょっと華やかで、一言のメッセージでも優しく見えるかと思います」(道念さん)

ラインナップは、ふんわりやさしい「awai」と、華やかさを添える「kasane」の2パターンのデザインに、4つのカラーと2つのサイズを掛け合わせた全8種類。相手や伝えたい気持ちに合わせて、自由に選ぶことができる。
言葉を贈り合う連鎖を体験『言葉を贈るコーヒースタンド』

この新製品を使って、“手書きコミュニケーション”の喜びを体感できるイベント「言葉を贈るコーヒースタンド by ポスト・イット(R) ブランド」が、7月2日〜4日の3日間限定で渋谷ヒカリエに登場した。
イベントの仕組みは実に心温まるもの。会場で『SUISAI Fusen Collection』に大切な人へのメッセージを記入し、スタッフに見せると、体験のお礼として参加者本人にアイスコーヒーがプレゼントされる。さらに、言葉を贈る相手に渡すための「持ち帰り用コーヒーパック」も提供されるのだ。

「記入した付箋をコーヒーパックに貼って相手の方に渡していただくことで、大切な言葉を贈り合うという連鎖を体験していただけるようなイベントブースとなっております」(イベントスタッフ)
ドリンク代は、渡す相手への“メッセージ”。手書きの言葉が、自分と相手を笑顔にする素敵な仕掛けである。
手書きの温もりが、日常を少しだけ幸せにする
LINEやSNSのDMなど、デジタルツールが当たり前となった現代。だからこそ、手書きの言葉が持つ「特別感」や「温かみ」はより一層際立つ。
単なる便利なオフィス用品という枠を超え、人と人との関係を円滑にし、幸福度を高める「古くて新しいコミュニケーションツール」へと進化を遂げたポスト・イット。
普段は照れくさくて口に出せない「ありがとう」や「おつかれさま」を、やさしい色合いの付箋に託してみてはいかがだろうか。そこから始まる小さな温もりの連鎖が、誰かの、そしてあなたの日常を少しだけ幸せにしてくれるはずだ。
