高校生たちの挑戦、いよいよクライマックス!
企業が出題する課題に対し、高校生が独自のアイデアで解決策を提案するチーム対抗コンテスト『マイナビキャリア甲子園』。2014年の開始から2025年で11回目を迎え、昨年を上回る過去最高の3,136チーム・総勢11,595名が参加しました。
書類審査、プレゼン動画審査、準決勝を勝ち抜いた全10チーム・34名が挑んだ決勝大会。熱戦は3月15日(土)の「Discovery 部門」、16日(日)の「Innovation部門」の2日間にわたり繰り広げられ、ついに両部門の優勝チームが決定しました。
本記事では、2日目の「Innovation部門」決勝大会の様子をお届けいたします。
合言葉は“Be Adventurers”!

爆速で進化しているこの世界には、まだまだ残された課題が山ほど。そんな中、高校生たちには“冒険者”となって、自らのアイデアと情熱で新たな世界を創造してほしい――。このコンテストには、そんな想いがこめられています。

2日目の「Innovation部門」には、5チームが出場。各チームがプレゼンテーションを行い、審査員の評価と視聴者投票の合計得点で優勝チームを決定。優勝チームにはトロフィーと100万円分の海外旅行券が授与されます。
第11回は、「優勝」「準優勝」のほか、いま好評放送中のアニメ『トリリオンゲーム』(TBS系列)より、特別賞「トリリオン賞」も新たに加わりました。
大人顔負け!柔軟な発想とアイデアがぶつかり合う
さて「Innovation部門」では、冒険者たちのどんな挑戦を目撃できるのでしょうか?
(※以下、「」内はチーム名。企業名は略称)
聖学院高等学校(東京都)「ロッテで繋がろって」
テーマ設定企業:ロッテ
出題内容:今後の社会構造の変化を捉え、「チョコレート」をキーワードにした、世の中を幸せに変革させるわくわくするようなサービスを創出せよ

「男子校だからバレンタインにチョコレートをもらえない」というボヤキで笑いを誘った「ロッテで繋がろって」。

カカオの減少問題に着目し、ロッテチョコレート製品をテーマにした街づくりアプリ「Chocolatia」を提案。
大阪星光学院高等学校(大阪府)「チーム永野」
テーマ設定企業: tdi(情報技術開発)
出題内容:未来における“人々が豊かに暮らせる社会”を定義して、それをデジタルトランスフォーメーションによって実現する新事業を、tdiの資産・技術を生かして提案せよ

おそろいのチームパーカーで登場した「チーム永野」。チーム名はメンバーの名前が由来だそう。

五感を活用するデバイスを用いて、購買体験をリアルに再現する画期的システム「EXPEASY」を提案。
吉祥女子高等学校(東京都)「ファニーズ」
テーマ設定企業:ファミリーマート
出題内容: デジタル化が進んだ10年後を定義し、地域社会や文化と共創し社会問題を解決する、ファミリーマートの新規事業を提案せよ

当部門で唯一の女子グループ「ファニーズ」は、「PLAN(計画)」「DO(実行)」「CHECK(検証)」「ACTION(改善)」が武器の “PDCA四姉妹”。

「食品ロス」問題に着目し、アプリで店舗ごとの消費期限間近の商品を検索可能にする「ロスレスキュー」を提案。
早稲田大学高等学院(東京都)「HIGH TIDE(はいたいど)」
テーマ設定企業:セコム
出題内容:セコムグループの力を使って、5年後のあなたの日常にポジティブインパクトを起こす “遊び心”ある新サービスとは

セコムのロゴカラーで登場した「HIGH TIDE」。冷静な分析力を持ちながらも、時おり高校生らしいシャイな側面も見せるコンビです。

外出先での荷物の見張りや子どもの見守りなどさまざまなシーンで活用できる、自立式の360度監視カメラ貸し出しサービス「GURDIAN」を提案。
帝塚山高等学校(奈良県)「セプトプレス(仮)」
テーマ設定企業:たかの友梨ビューティクリニック(不二ビューティ)
出題内容:たかの友梨ビューティクリニックの資源を活かし、全ての世代や性別を超えて未来のエステティックに求められる『幸福感のある美と癒し』の新事業を提案せよ

チーム名に「(仮)」がついたままなのは、仮での命名に愛着がわいたから、という「セプトプレス(仮)」。男子4人組がエステ企業に挑みます。

スマートウォッチを代表するウェアラブルデバイスと、たかの友梨プロデュースの「エカテリージュエリー」を掛け合わせた、スマートリング「+sence」の提案。
2025年の勝者は誰の手に!?
すべてのプレゼンが終了。どのチームも高校生ならではの柔軟な発想力とスキのないプレゼン力は甲乙つけがたく、会場はその戦いの行方をいまかいまかと見守ります。得点の集計が終わり、いよいよ発表の時が訪れました。
【トリリオンゲーム賞】早稲田大学高等学院「HIGH TIDE」:セコム

発表の瞬間、天を見上げるような仕草を見せたふたり。その表情は喜びに満ちていました。
(審査員評)
「実現可能性の高さを評価。このふたりならどんな困難も乗り越えられる、とアニメ作品になぞらえ選定しました」

(「HIGH TIDE」喜びの声)
「嬉しいけど優勝を狙っていたのでちょっと残念。実現可能性が高いと評価をいただいたことはとても嬉しいです!」
【準優勝】吉祥女子高等学校(東京都)「ファニーズ」:ファミリーマート

チーム名がコールされると、驚きの表情を見せたあと、喜びに沸くPDCA四姉妹。感極まり涙を流すメンバーも。
(審査員評)
「ファミマが大切にしている、地域密着型店舗として消費者のニーズに応えられるビジョンが明確。また、実現可能性が非常に高いという2つの点を評価しました」

(「ファニーズ」喜びの声)
「実現可能性は私たちが一番心配していた部分。そこを高く評価していただけたのは本当に嬉しい。これからも頑張ります!」
【優勝】聖学院高等学校(東京都)「ロッテで繋がろって」:ロッテ

ついに優勝チームが決定! 紙吹雪が舞う中、メンバーたちはガッツポーズを取り、抱き合いながら喜びを分かち合いました。
(審査員評)
「ゲームを活用して消費者に伝えるアイデア、課金を“チョコっとサンクス”という寄付の形として心理的ハードルを下げる発想も素晴らしかったです」

(「ロッテで繋がろって」喜びの声)
「皆さんに共感してもらいたい気持ちを発揮できたと思います。3人で乗り越えてきてやっと手に入れた素敵な賞。これもみなさんに手助けしていただいたおかげです。本当にありがとうございました!」
若きアイデアマンたちの冒険は続く――

白熱した戦いが繰り広げられた第11回『マイナビキャリア甲子園2025』。前日の「Discovery 部門」は帝塚山高等学校「ロックロック」、そして「Innovation部門」は、聖学院高等学校が見事優勝を勝ち取りました
彼らの冒険はまだ始まったばかり。これからも“Be Adventurers”を胸に、未来に向けてさらに大きく羽ばたいてくれることを期待したいですね。
マイナビ公式HP:https://careerkoshien.mynavi.jp/
<取材・撮影・文/櫻井れき>