本来は「その辺り一帯、付近」という意味合いだった「界隈」という言葉は、今ではSNS上や若者の間では、特定の趣味・嗜好や価値観といった『ジャンルを共有する人々の集まり』を指す言葉となりました。
今回、KEEN株式会社の代表取締役 Founder & CEOを務める小倉一葉さんに、界隈とはどのようなものなのか、そして今後どのような広がりを見せていくのかなど、界隈に関するお話を伺いました。
KEENが取り組む「界隈マーケティング」とは?
KEEN株式会社は“界隈”を活用した「界隈マーケティング」のリーディングカンパニーで、SNS上に散在する「熱量の高い集まり(界隈)」を可視化・分析し、マーケティングを支援するサービスを提供しています。

「弊社ではもともと創業の頃から、企業様が運営するユーザーコミュニティの分析などを行なっていたんです。そういったコミュニティの中での貢献度合いを可視化するようなサービスを元々開発していました。」
と語った小倉代表。
その中で、コミュニティに入るユーザーはロイヤリティの高い少数派の方々で、そういったコミュニティへ人を誘致するため、ユーザーの分析や情報提供を行っていく中で、“界隈”が形成されていることを発見したのだとか。
「生活者の集団に対して、どういった情報提供をすればブランドが寄り添っていくことができるのか、というところに着目した際に、界隈というものがあることがわかりました。SNSが発達し、アルゴリズムが本当に毎日のように各SNSで改定されていく中、最近はフォロワー数というより、コンテキストベースで集合させたり、分断させたりすることがすごくあり、それによって界隈が形成されているということがデータ分析でわかってきたんです。」
と、界隈との出会いを語った小倉代表は、隣同士で会話していながらも、分断された違う界隈に属している点に着目。
顧客(企業・ブランド)へ界隈の分析や、各界隈のキーオピニオンリーダー(KOL)を探すなど「顧客のユーザーへの情報発信」の一助となるマーケティングサービスを提供しているのだと教えてくれました。

そもそも界隈とは、SNS上などで形成される集団のことで、小倉代表はコミュニティなどとの違いを「能動的に属しているかどうか」だと指摘。
自認する以外にも「他者からの認定」によって属することがあるのが界隈であり、結びつき自体はコミュニティよりも弱いものの、解散が早いものから文化のように根付くものなど多様な点が、界隈の特徴的な部分だと説明。
「界隈」はZ世代のものとして語られがちですが、実は“世代に関係なく界隈の構造に取り込まれている”のだと小倉代表は説明。
「界隈という言葉が出た当時は、Z世代のものとされていましたが、それは表面的なもの。そもそも界隈と呼ばれる区分はリアルでも昔から行われてきたこと。SNSのアルゴリズムが非常に複雑化して露出が難しくなる中で、界隈を分析し適切な情報発信を行うことで、特定の界隈の中でニッチな商品がバズって売れる、ということが起きるんです。」
と、界隈に年齢・世代の区別もなくなってきており、各界隈の中で流行の商品が注目を集める状況が当たり前となっていると語りました。
界隈マーケティングでより効果的な反響を得られる
KEENが提供中の「KEEN界隈DB」で、界隈を可視化。
現在は500以上の界隈を可視化し、企業のマーケティング活動に活かすべくデータの提供や、その情報をもとにした施策の提案などを行っています。
そこで、現在盛り上がっている界隈について伺うと、

「盛り上がっているところでいうと、“(コスメ領域での)成分界隈”ですね。韓国コスメや美容医療界隈の影響が出てきているとは思うんですが、生活者の方々が『成分買い』をされていらっしゃるんですよ。配合されている成分の種類や配合量などで購入する、といった動きがあります。」
と教えてくれました。
成分について言及するクリエイターが増えてきたことから、一般消費者も成分を意識するようになってきたことが要因となっているのだろうと小倉代表は推察。
さらに『成分オタク』とも呼ばれるこだわりを持ったユーザーには、男性が増加しているというデータもあるとコメント。
こういったユーザーのまとまりである界隈をしっかり把握し、適切な文脈や文化背景を加味した投稿で情報発信を行うことで、界隈などを考慮せず数十万人以上のフォロワーを抱えたインフルエンサーなどへ依頼するよりも、購買に対して影響を与えることができる可能性があるのだと教えてくれました。
小倉代表「挑戦することの恐怖は克服できる」
秋田県の郊外に生まれ、働いている女性(祖母や母)に囲まれて暮らしたことから、いつか「世の中をより良くしたい」と日本マイクロソフトへ新卒入社した小倉代表。
その中で、大手広告会社と組んで新たな広告ソリューションを作る業務に携わったことで、新たなサービスを生み出すことへ魅力を感じ、独立を果たしたのだとか。

「ちょうど独立した時が28歳くらいでした。周囲の友人がキャリアアップしたり、結婚・出産したりと女性の人生が分断されていくフェーズだったので、当時は結構しんどかったですね。そんな中で、SNSに刺激を受けたり癒されたりしながら、いつのまにかそれが仕事になっていました。」
と、当時は自身と周囲の温度差で、疲弊していたという小倉代表。
しかし、現在は10人ほどの仲間たちとともに、楽しみながら仕事ができていると笑顔で語りました。
SNSなどで自分たちが見ているものはわずかな一面に過ぎず、その裏側にはアルゴリズムに引っかからない無数の投稿がある。それを見ることで自分や他人のことを理解することができていくというのが、本当に面白いのだとコメント。
「できない言い訳を世界から無くす」ことを目指して活動をしているという小倉代表は、

「やらなくていい理由とか、自分の夢を諦める理由って、周囲にたくさんあるじゃないですか。でも、誰かが反対したから『やらないでいい』ってわけじゃない。親や配偶者が反対したから、友人に止められたから。もちろん周囲の方は、自分のことを想って言ってくれているのですが、誰かに言われて、その夢をやめるっておかしな話ですよね。できない理由をかき集めて、それをできる理由のフィルターに変えるだけで、夢や自分自身と向き合うことができるはずです。」
とコメント。
自分が感じる挑戦への恐怖を、データなどで明確にすることで克服できると、世の中の挑戦しようか悩んでいる方々へ訴えかけました。
男性も女性も関係なく、これから挑戦しようと考えている「挑戦界隈」の多くの方が、躊躇してしまったり、周囲の助言で夢やチャレンジを諦めてしまいがち。
小倉代表は自身のインスタグラムで、頑張る人・挑戦する人を応援する発信をしています。
もしも「挑戦してみたいけど怖い」「親・友人から反対されている」という方がいたら、ぜひ小倉代表のSNSなどをチェックして、勇気を振り絞ってみてはいかがでしょうか。
小倉代表公式Instagram:https://www.instagram.com/kazuha_vlog/
