子どものころ、一度は眺めたことがあるだろう。「きのこの山」のパッケージに描かれた、どこか牧歌的で穏やかな風景。小さな家が点在するあの山は、ただのお菓子の背景でありながら、どこか“住んでみたい場所”のようにも感じられた記憶がある。そんな想像の中の風景が、もし実際に訪れることができるとしたら——。そんな少し不思議で遊び心のある問いを、そのまま形にした企画が登場した。「きのこの山」の世界観に登場する“あの家”をバーチャル空間に再現し、分譲販売するという試みである。しかも、ただの再現ではなく、「購入する」「所有する」という体験まで含めて設計されている点が興味深い。限定500邸、価格は1万円から最大15万円。現実の不動産のような形式を取りながら、その中身はあくまでエンターテインメントとしての体験に軸足が置かれている。このギャップこそが、本企画の最大の魅力と言えるだろう。
パッケージの中の世界が、ついに“体験できる場所”に

これまで「きのこの山」のパッケージに描かれていた風景は、多くの人にとって“なんとなく知っている景色”でありながら、具体的に踏み込むことのできない領域だった。しかし今回、その曖昧な存在が、バーチャル空間という形で具体的な場所として立ち上がっている。山の地形や家々の配置はもちろん、空気感や雰囲気まで含めて丁寧に作り込まれており、「もし本当に存在していたら」という想像を、そのまま体験としてなぞることができる設計である。
ただ眺めるだけではなく、その中に入り、歩き、過ごすことができるという点が大きい。これまでの広告やキャンペーンの延長ではなく、“場所そのものを楽しむ”コンテンツへと進化している印象である。
「あの家」の中身とは?3つのグレードと体験内容

分譲される「あの家」は、スーペリア、エグゼクティブ、スイートの3グレードで構成されている。価格はそれぞれ1万円、5万円、15万円と段階的に設定され、戸数も350戸、120戸、30戸と明確に分かれている。
体験できる内容もグレードによって異なるが、共通しているのは「滞在を楽しむ」という設計である。バーチャル空間内では、サウナに入ったり、プールでくつろいだり、ベッドで休憩したりと、まるでリゾートのような時間を過ごすことができる。また、自分の家に友人を招待し、会話を楽しむといったコミュニケーション要素も用意されている。特にスイートでは、空間のカスタマイズも可能となっており、“自分だけのきのこの山”を作り上げる楽しさも加わる。単なる閲覧体験にとどまらず、「居場所」としての機能を持たせている点が特徴的である。
NFT×所有体験というユニークな仕組み

この企画のもうひとつのポイントは、「所有」という概念の扱い方である。購入者には区画番号が付与され、権利証書とともにNFTが発行される仕組みとなっている。バーチャル空間上の存在であっても、「自分のもの」であることを証明できる。これは単なるデータではなく、“所有体験”そのものを提供するための仕掛けと言えるだろう。もちろん、実在する不動産ではないため、登記や資産価値といった現実的な側面とは切り離されているが、その分、純粋に「持つ楽しさ」にフォーカスされている印象である。現実の不動産が持つ重さを排除しつつ、所有のワクワク感だけを抽出したような設計だ。
■物件概要

■スペック

■スイート

■エグゼクティブ

■スーペリア

■物件プロモーションムービー

■購入特典詳細

期間限定の“きのこの山ライフ”
このバーチャル空間は永続的なものではなく、利用期間は2029年3月までとされている。また、購入者以外でも一部エリアは一般公開される予定であり、誰でもその世界観に触れられる機会も用意されている。
この“期間限定”という要素は、体験の価値をより印象的なものにしている。いつでもそこにあるわけではないからこそ、その時間が特別なものとして記憶に残る。デジタルでありながら、どこか儚さを含んだ設計である。
なぜ今この企画?遊び心から広がるブランド体験
「きのこの山」はこれまでも、総選挙やユニークなコラボなど、話題性のある施策を積極的に展開してきたブランドである。その延長線上にありながら、今回の企画は一歩踏み込んだ印象を受ける。単に話題をつくるだけではなく、「体験として記憶に残す」ことに重きを置いている点が新しい。パッケージの中にあった風景を、実際に訪れ、過ごし、所有するという一連の流れは、ブランドとの関係性をより深いものへと変えていく可能性を感じさせる。遊び心を徹底的に突き詰めた結果として、ここまでの完成度に至っている点も興味深いところである。
<分譲概要>
購入方法:「きのたけ不動産」公式ウェブサイトより先着順販売(専用フォームよりカード決済)
分譲開始日:2026年3月31日(火)12:00(正午)
公式ウェブサイト:https://www.meiji.co.jp/products/brand/kinotake/foresthills/
本企画が提示しているのは、不動産でも投資でもなく、「体験を持つ」という少しユニークな楽しみ方である。実際に存在する場所ではなくても、そこで過ごした時間や感じた空気は、ちゃんと自分の中に残っていくものだろう。デジタルの世界だからこそできる自由な発想と、どこか懐かしさを感じさせる「きのこの山」の風景。その両方が重なり合うことで、ちょっとした非日常を気軽に楽しめるのも、この企画の魅力と言えそうである。
あのパッケージの中にあった風景に、少しだけ足を踏み入れてみる。そんな体験を、この機会に楽しんでみるのも悪くないのではないだろうか。
