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2025年度「新型コロナワクチン定期接種」自治体別自己負担額ランキング“ワースト1位”の自治体とは?

生活者の“健康と暮らし”に関する情報を発信するポータルサイト「マイライフニュース」を運営するヒューマン・データ・ラボラトリ株式会社は、2025年度「新型コロナワクチン定期接種(2026年3月31日まで実施。自治体により異 […]
TORSOJACK 2025年12月18日

生活者の“健康と暮らし”に関する情報を発信するポータルサイト「マイライフニュース」を運営するヒューマン・データ・ラボラトリ株式会社は、2025年度「新型コロナワクチン定期接種(2026年3月31日まで実施。自治体により異なる場合あり)」が10月1日から開始されたことを受けて「2025年度定期接種」の認知率、人口5万人以上の549自治体の自己負担額について調査を実施。

本格的な流行期に備え、ワクチン接種の現状と必要性や早期診断・早期治療の重要性などについて「KARADA 内科クリニック 五反田院」院長を務める佐藤昭裕先生が解説してくれました。

 

「2025年度定期接種」認知率は昨年の半分以下に

2025年度「新型コロナワクチン定期接種(以下、2025年度定期接種)」が10月1日から開始されましたが、今年は定期接種2年目に入ったことで、報道や自治体からの広報などが減少。

また、インフルエンザの大規模な流行によって一層注目度が落ちていることが想定されたことから、ヒューマン・データ・ラボラトリは65歳以上の全国男女2,500名を対象に、2025年度定期接種の認知率を調査。

その結果、定期接種の対象者であることを知っている方は、全体で29.5%と3割を下回る結果となりました。

昨年の2024年度定期接種の認知率(60.3%)と比較すると、約半分ということになります。

加えて、今回の定期接種は国からの助成金制度が終了となり、初めて各自治体の予算のみで定期接種が実施されており、自治体の財政状況や予防接種以外の事業との優先度によって、自己負担額や住民への周知・情報提供活動に差が生じることも考えられる状況。

実際に自治体別に自己負担額を調査したところ、東京都の6区が無償で提供している一方、最も高かった茨城県笠間市は1万3600円と、負担額に非常に大きな差が開いていることが明らかになりました。

定期接種の認知率低下および自己負担額の増加は、ワクチン接種率のさらなる低下を招きかねません。

一般社団法人日本感染症学会、一般社団法人日本呼吸器学会、日本ワクチン学会の3学会が25年9月に公表した「2025年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解」では、新型コロナの高齢者における重症化・死亡リスクは依然として高く、免疫を逃れる変異も依然起きているため、冬の流行に備えてワクチンの定期接種を強く推奨しています。

実際に、新型コロナによる死亡数は2024年も3万5,865人と大きな減少を見せておらず、死因順位は2023年から引き続き第8位となっており、同年のインフルエンザによる死亡数2,855人の約12倍ほど。

新型コロナは決して収束しておらず、特に感染症に対する抵抗力が衰えていく傾向がある高齢者においては、2025年度定期接種を含めた継続的な予防対策が重要となります。

 

定期接種が行われていること自体を知らない人も多い

佐藤先生は現在の新型コロナの患者数やワクチン接種について、

「冬の流行期に入り、当クリニックでも新型コロナウイルス感染症の患者数は増え始めていますが、昨年ほど多くはないように感じます。これは、新型コロナへの危機意識が薄れ、いつもの風邪だと思って病院を受診していない人も増えていると思われます。また、今シーズンはインフルエンザの流行が早まり、感染が急拡大しているため、病院側もインフルエンザへの対処を最優先し、新型コロナを診断しきれていない可能性も考えられます。」

とコメント。

しかし、新型コロナは依然として収束しておらず、年間の死亡数はインフルエンザを大幅に上回っているのが実情だと警鐘を鳴らしています。

「危機意識が薄れている背景には、新型コロナに関する情報が、テレビなどでほとんど報道されなくなったことが挙げられます。日本人は、熱しやすく冷めやすい国民性なので、話題にならないと関心もなくなり、新型コロナはすでに収束したと考えている人も多いように思います。また、新型コロナやワクチンに関するインフォデミック※が起こり、SNSなどで不確かな情報が広がったことも影響を及ぼしています。」

※インフォデミック:パンデミックとインフォメーションを組み合わせた造語で、正確な情報と不正確な情報が同時に拡散してしまうこと

と語り、様々な情報が一気に真偽不明のまま拡散したことも影響していると語りました。

今回の調査結果では、国からの助成金制度が終了した2025年度定期接種の認知率は29.5%にとどまり、3割を下回る結果になったことを受けて、

「この認知率の低さは、やはりワクチン接種に関する報道がされなくなったことが大きく、定期接種が行われていること自体を知らない人も多いと思われます。さらに、各自治体の取り組みにも左右されます。例えば、対象者に接種券を配送し、積極的に告知している自治体では認知率が高まります。一方、何も告知していない自治体では、定期接種の情報が対象者まで伝わらず認知率は低下してしまいます。」

と説明。

ワクチン接種率が低下することで、本当に必要としている高齢者などの重症化リスク増加が懸念されると語りました。

現在国の補助は終了しており、薬も高額になることから「感染する前に対策する」ことが大切だと佐藤先生は指摘。

「冬本番に向けて感染が拡大している新型コロナもインフルエンザも、ワクチン接種だけでなく、基本的な感染症対策に取り組むことも重要になります。外出時にはマスクを着用すること、手洗いをしっかりすること、部屋の換気をよくすること。そして、体調が悪い時には、無理せずゆっくり休みましょう。特に急性期に無理をして動くと、後遺症につながることもあるので注意してください。」

と、ワクチンだけでなく一般的な感染対策も引き続き行っていくべきだと訴えかけました。

新型コロナは早期診断・早期治療も重要です。重症化予防が期待できる新型コロナの治療薬の活用も含め、新型コロナの流行に備えて、積極的に医師に相談しましょう。

 

佐藤昭裕先生:KARADA内科クリニック 五反田院 院長

日本感染症学会専門医。総合診療医として全身の幅広い診療と、感染症専門医としてHIV感染症や結核、マラリアなどの診療に加え、集中治療、院内感染対策、ワクチン診療などに従事。東京医科大学病院感染症科医局長や東京医科大学茨城医療センター感染制御部部長、感染症科科長などを歴任し、現職に至る。

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