一般社団法人日本美腸協会は、江崎グリコ株式会社「タンサ脂肪酸プロジェクト」と共同で、無料セミナー『冬の太りにくい体づくり~腸から代謝を上げるヒント・キーワードは“安静時エネルギー消費量”~』を開催しました。
日本美腸協会と江崎グリコの「タンサ脂肪酸プロジェクト」が無料セミナーを開催
日本美腸協会はストレスの多い現代社会において、多くの人々が抱えている「お腹の悩み」を、腸に関する専門的な知識・正しい“腸もみ技術”を使ってサポートするべく、2013年に便秘外来で多くの患者を診てきた看護師が立ち上げた協会。
在籍者に看護師の方や医療従事者が多く、医療をベースにした正しい知識と技術を学び、腸に対する熱い想いのある腸のスペシャリストを世の中に広め、より多くの腸に悩む方々を救うべく活動しています。
この度日本美腸協会は、腸から健康寿命を延伸することを目指し、安静時のエネルギー消費量を向上し、悪玉菌を抑えウイルス・病原体などから体を守る働きをする「短鎖脂肪酸」に注目し、この働きを多くの方に広めるべく短鎖脂肪酸の研究・情報発信を行う「タンサ脂肪酸プロジェクト」と共同でセミナーを実施しました。
本セミナーの冒頭には、一般社団法人 日本美腸協会 代表理事の北川睦子さんが登壇。

「(協会発足当時の)13年前を思うと、今は美腸という言葉が普及してきまして、腸活という指標が少しずつ日本全国に広がってきているのかなと感じます。『腸が変われば人生が変わる。』この言葉を掲げておりますので、それをみなさんに感じてもらえるように、全国で活動してまいります。ぜひ応援していただけたらと思います。」
と挨拶を行い、日本美腸協会の活動についても言及しました。
続けて、日本美腸協会 顧問/医療法人社団順幸会 理事長・小林メディカルクリニック東京 院長の小林暁子先生が登壇し「腸からの代謝アップと安静時エネルギー消費量の関係」をテーマにした講演を実施。

「皆さんが秋・冬になってくると『体重が増えてしまうかもしれない』と考えてしまうかと思いますが、実は思い込みなんです。安静時のエネルギー消費量というのは、実は寒くなると向上してくるんです。」
と説明。
年末にかけて様々なイベントで飲食する機会が増えること、寒い中で外出・運動機会が減ってしまうことなどが体重増加の要因で、むしろ安静時の消費エネルギー量は夏などよりも増加しているのだと語りました。

「運動してもなかなか効果が出ないと感じたりすることがあるかと思いますが、実は身体活動で消費するエネルギー量は、通勤や家で掃除する、といった細かなものなども全部含めて30%ほどだと言われています。一方基礎代謝量は全体の60%ほどを占めているので、基礎代謝を落とさないようにすることが何よりも重要なんです。」

と、痩せやすい体のためには基礎代謝量を向上させることが重要だと述べました。
基礎代謝量には腸内環境が深く関わっており、特に腸内環境が良くなることで消化吸収の効率が上がり、結果として代謝の向上にもつながるのだと説明。
また、ファーミキューテス門に属する腸内細菌で、俗に「デブ菌」とも称される菌があrますが、実は「日本人はデブ菌が多い人の方が体重が低い」という調査結果が出たことも明かし、セミナー参加者たちも驚かれていました。

そのデブ菌の中でも、今回のセミナーの表題にもなっている短鎖脂肪酸の一種・酪酸を産生する「酪酸菌」を増加させたり、デブ菌が好む食物繊維が豊富な食事を心がけることが重要だと訴えかけました。
江崎グリコの短鎖脂肪酸に関する研究
続けて江崎グリコ株式会社 乳業事業部 商品開発部の馬場悠平さんが登壇し、江崎グリコの「短鎖脂肪酸とGCL2505株による代謝研究」について講演を行いました。

創業当初からビフィズス菌の研究を行ってきたグリコでは、2000年代後半になると、成長作用の研究から始まり、腸内細菌数やプロバイオティクスの研究に発展。
2008年より、ビフィズス菌「GCL2505株」を用いた健康研究に注力してきているとこれまでのグリコの歩みを説明。
このGCL2505株とは、胃酸などに強く生きて腸まで届き、腸内で増える特性を持つビフィズス菌であり、これとイヌリンなどの水溶性食物繊維を摂取することで、腸内で短鎖脂肪酸を産生する仕組みを作ることが大切だと語りました。

「GCL2505株とイヌリンを毎日飲んだグループと、それを飲まないグループに分かれ、2つのグループの方たちのエネルギー消費量を比較して研究したところ、2週間ほどで安静時のエネルギー消費量が(摂取したグループは)向上するだろう、という検証結果が出ているんです。」

と、安静時エネルギー消費量に差が出たと研究結果を披露。
100キロカロリーは白米50〜60g程度ですが、それを毎日積み重ねていくと大きなものになるため、基礎代謝量を高めて維持していくが大切だと語りました。
このエネルギー消費量が向上する理由について、馬場さんは短鎖脂肪酸がポイントになってくるとし、
「短鎖脂肪酸が増加することで、自律神経の一つである交感神経が活性化します。実感があるほどではないですが、もともとエネルギーを作る働きをしている褐色脂肪細胞を活性化します。そうすると、エネルギーを熱として発して免疫をたくさん作るようになるため、エネルギーの消費量が増加すると考えています。」
とコメント。

また、短鎖脂肪酸は脂肪細胞に働きかけ、栄養の取り込みを防いでくれる働きや、食欲を抑制するホルモンを分泌する働きの、2つの効果から内臓脂肪・体脂肪を低減させるメカニズムがあるのではないか、ということが分かってきたそう。

安静時エネルギー消費の向上・脂肪低減のカギとなる短鎖脂肪酸を産生させるためには、腸内のビフィズス菌を増やし、腸内細菌のエサとなる水溶性食物繊維を摂ることが重要だと解説。
最後に北川さんは、
「美腸協会はこれからも色々な研究結果や最新の研究のデータを含め、皆様の役に立つことをこれからもオープンにお伝えしていく組織でありたいと思っております。」
とコメントし、本セミナーを締めくくりました。
