就職活動の形が大きく変わり始めています。お寿司を味わいながら学生と企業が交流するユニークなイベント「寿司就活®」が第5回を迎え、今回は「AI・データ活用」をテーマに開催されました。会場には東京大学や慶應義塾大学、早稲田大学などから約100名の学生が集まり、最新テクノロジーに強い関心を持つ企業と直接語り合う機会が広がりました。
従来の就活イベントといえば、合同説明会や面接などフォーマルな形式が中心で、学生にとっては緊張感が強く、企業との距離を縮めにくい面がありました。その点、このイベントは立食形式を取り入れ、お寿司を楽しみながらカジュアルに会話できるのが特徴です。食事を通じたリラックスした雰囲気の中で、学生は自分のキャリアビジョンを率直に語り、企業もリアルな姿を伝えることができました。
注目すべきは、参加した学生の6割以上が「インターンや本選考に進みたい」と希望を表明したことです。単なる交流にとどまらず、実際の就職活動へと直結する成果が生まれている点は、このイベントの大きな魅力といえるでしょう。
寿司就活の特徴

「寿司就活®」は、株式会社シオンが手がける独自の就職活動イベントです。従来の合同説明会や面接のように堅苦しいスタイルではなく、お寿司を取り入れた立食パーティー形式で進行するのが最大の特徴です。学生と企業が同じ場に立ち、食事をしながら自然な会話を交わせることで、相互理解を深めることを目的としています。
イベント名に「寿司」が使われているのは、日本の伝統文化でありながら、近年は「SUSHI」として世界中に広がる象徴的な存在になっていることに着想を得ています。日本の未来を担う学生と、日本の成長をけん引する企業が一堂に会することで、「日本の未来をにぎる」という意味合いも込められています。
このように、形式的な就活の枠を超えた場を提供することで、学生にとっては自分らしいキャリア観を語れる貴重な時間となり、企業にとっても素顔の学生と出会える場として注目を集めています。
第5回イベントの概要と参加状況

第5回目となる寿司就活は、2025年9月13日(土)に東京都港区の「港区立産業振興センター」で開催されました。午後2時から夜7時までのプログラムで構成され、キャリア講演、企業によるショートピッチと座談会、懇親会という3部仕立てで行われました。立食形式を取り入れ、会場全体がリラックスした雰囲気に包まれていたのが特徴です。
今回のテーマは「AI・データ活用」。生成AIやデータ分析など、社会のあらゆる領域で重要性が増す分野に関心を寄せる学生が中心に集まりました。東京大学や慶應義塾大学、早稲田大学、東京工業大学など、国内有数の大学から約100名が参加し、テクノロジーに強い興味を持つ学生と企業が直接交流できる場となりました。
志望業界の傾向を見ると、コンサルティング業界が最も多く、次いでIT・ソフトウェア・通信業界が約半数を占めました。AIやデジタルを活用した事業に関心を寄せる学生が目立ち、テーマとの相性が非常に高いイベントだったといえます。
成果と学生の反応

今回の寿司就活で大きな成果として挙げられるのが、参加した学生の6割以上が「インターンや本選考に進みたい」と希望を示した点です。形式的な説明会や面接ではなく、食事をしながら自由に話せる環境が、学生の意思決定を後押ししたことがうかがえます。
参加者からは「会社の雰囲気をカジュアルに理解できた」「リラックスした状態で深い話ができ、自分に合う企業とつながれた」という声が聞かれました。また「最先端のテクノロジー企業と出会え、キャリアの選択肢が一気に広がった」という意見もあり、イベント全体の満足度は9割を超える高評価となりました。
こうした結果は、従来の就職活動に課題を感じていた学生や企業にとって、寿司就活のスタイルが有効であることを示しています。単なる情報提供にとどまらず、互いの価値観やカルチャーを理解し合える場であったことが、「数字以上の成果につながったといえるでしょう。
今後の展望とまとめ

寿司就活は今後も定期的な開催が予定されています。次回は2025年12月6日(土)に「コンサル・IT業界を志望する27卒対象イベント」として開催され、2026年には再び「AI・データ活用」をテーマにした回や、ITサマーインターンを志望するエンジニア向けの回も準備されています。メルカリやSalesmarkerなど成長企業が出展しており、今後も参加企業の幅は広がっていく見込みです。
就職活動の方法は時代とともに変化しています。特にAIやデータ活用が進む社会では、学生と企業が互いを知る機会も従来型の枠にとどまらず、多様なスタイルが求められています。寿司就活のようにリラックスした空間で本音を交わし、そこから実際のインターンや本選考につながる仕組みは、今後のキャリアマッチングの新しい形として注目に値します。
学生にとっては将来のキャリアを具体的に考えるきっかけとなり、企業にとっては自社のカルチャーを率直に伝えられる場として機能する寿司就活。AI時代にふさわしい就活イベントとして、その広がりに今後も期待が集まります。
AI時代をにぎる「寿司就活®」 新しい就活スタイルの広がりへ
寿司就活は単なるユニークなイベントにとどまらず、学生と企業の出会い方そのものを変える試みとして進化しています。特にAIやデータといった最先端のテーマを扱うことで、未来を担う人材と企業が互いを理解し合う機会が生まれました。
就職活動が一方通行の情報提供から双方向のコミュニケーションへと変わりつつある今、寿司就活のような新しいスタイルは、これからのキャリア形成において大きな意味を持つでしょう。次世代の就活を象徴する取り組みとして、その動向から目が離せません。