株式会社リアライズラーニングが開発した、学んで稼げるe-ラーニングサービス「Realize Learning(リアライズラーニング)」の提供が、2025年3月3日より本格的にスタートした。
“学ぶことで報酬が得られる”という、従来とは一線を画すこの仕組み。
その開発背景やサービスに込めた想い、今後の展望について、代表取締役の山本正樹氏に話を伺った。
Realize Learningの「学んで稼ぐ」仕組みとは
Realize Learningは、お金を払って学ぶ一般的な学習サービスとは異なり、無料でITやビジネススキルを学べるだけでなく、報酬も得られるという画期的な仕組みを持つ。
さらに、学習クエストを解き進めることで、プラットフォーム内の求人に応募することも可能だ。
山本氏によると、この“学んで稼ぐ”という構想は自身のオリジナルではなく、Web3の考え方に触発されたものだという。
「“Move to Earn(ムーブ・トゥ・アーン、M2E)”や“Sleep to Earn(スリープ・トゥ・アーン、S2E)”といった、“何かをすることで報酬を得る”という新しいコンセプトが次々と登場した時期に、大きな影響を受けました。
それらと同じ流れの中で、“学んで報酬を得る”という仕組みを教育分野に応用できないかと考えたのが、Realize Learning開発に至るきっかけとなります。
Realize Learningは、こうした“Earn”モデルの発想を取り入れた、“Learn to Earn(ラーン・トゥ・アーン)”という考え方に基づいています。」
現在、約3,000問のクエスト(4択形式)が用意されており、誰でも気軽に挑戦できる仕様だ。
扱うテーマは、一般教養、社会、IT、語学と幅広く、さらに今後は学生向けに小・中・高校の学習内容もラインナップに追加する予定。
クエストのボリュームについても、まずは1万問を目指して拡充を進めていく方針とのこと。
自身のリスキリングや学び直しを手軽に進めることができ、繰り返し取り組むことでポイントが貯まり、それを報酬として受け取れるRealize Learningは、筆者にとっても若い頃に出会っていたら、と強く思わずにはいられないサービスだった。
「学生と社会人の間をつなぐ学びがない」
山本氏は、社会人と学生の“学びのギャップ”にも課題意識を持っている。
「社会人になってから、学生時代に学んだ知識を使う機会は意外と少ないですよね。
三角関数や理科の実験の内容など、もはや記憶に残っていないという方も多いのではないでしょうか。最近ではプログラミング教育が必修化されるなど変化も見られますが、社会に出たときに直接役立つ実践的な学びは、まだまだ十分とは言えないと感じています。」
また教育格差の課題にも目を向けている。
「良質な教育を受けるためには、どうしてもお金がかかってしまいますし、地方では十分な教育機会を得ること自体が難しい場合もあります。
通信教育サービスも広がっていますが、実際には都市部での利用が比較的多く、地方では必ずしも十分に浸透しているとは言えないのが現状です。
経済的に余裕があっても、それだけでは教育を受けるための手段や環境が整っていなければ、学びの機会にはつながりません。
学びの手段と、それを支える経済的な基盤の両方がそろって、初めて本当の意味での教育機会が成立するのだと思います。」
学びをキャリアに─スキル評価と就職支援
Realize Learningには、学習と連動したキャリア支援の仕組みも備わっている。協賛企業の求人情報を掲載し、条件を満たしたユーザーにスカウト機能が働く構造だ。
「協賛企業の求人情報を掲載することで、直接就職に繋げられたらと考えています。また、学習した内容が自分の“成績”として記録されることで、就職活動のアピール材料にもなります。
協賛企業にはスカウト機能があり、たとえば『Excelレベル5』といった条件を設定し、それをクリアしたユーザーに声をかけられる仕組みになっています。」
つまり、学習すれば報酬が得られるだけでなく、就職にも有利に働くという構造。
この一連の仕組みは特許も取得済みで、就職活動を見据えた実践的なe-ラーニングとして注目されている。
また今後は、キャリアカウンセリング機能や適性テスト機能の実装も検討中とのこと。
「私自身、大学卒業後すぐに就職せず、アルバイトでフラフラしていた時期がありました。偶然、自分に合った職場に巡り合えましたが、世の中の多くの人が、自分に合う就職先に出会えるとは限りません。だからこそ、自分の好みや実績、適性を相談・判別できるような仕組みを作りたいと考えています。」
と、山本代表は自身の経験を交えながら語った。
「将来的には大人の職業体験テーマパークをやりたい!」
さらに将来的には、大人向けのリアルな職業体験施設の構想もあるという。
「他の職業の方がどんな仕事をしているのか、知る機会は意外と少ないと思うんですよ。
たとえば鉄器を作る職人さんの仕事内容なんて、普通はなかなか想像できませんよね。
そういったリアルな職業体験ができる施設を、いつか実現できたらと考えています。
またテーマパークのように楽しむだけでなく、“その職業でどんな工夫が必要か”“どんなことを考えなければいけないのか”といったことも体験できるような、そんな場所をつくれたらいいなと思っています。」
リスキリングがブームとなっている今、“学びながら報酬が発生する”という仕組みは、多忙な社会人にとって非常にありがたい存在。
さらに、キャリア形成にも直結するこのサービスは、就活生や転職希望者にこそ、ぜひ活用してほしい内容だ。
「学びたいけれどお金に余裕がない」「手軽に学びたい」「学んだスキルを就職に活かしたい」そんな方は、まずは気軽に「Realize Learning」を始めてみてはいかがだろうか。
▶ Realize Learning:https://www.realizelearning.net/