愛媛県と楽天グループが共同で開催する物産展「愛媛の魅力、ぎゅぎゅっと集合! 愛媛百貨店POPUP STORE」が9月17日から30日まで東京駅八重洲口の大丸東京店で開催されることになり、オープン初日に両者関係者参加のもと開幕式が行われた。東京駅を訪れるインバウンド客の来場も狙った本イベントは、実店舗での購入体験と海外の家庭にも発送可能なオンライン購入を組み合わせたOMO型の試みによる意欲的な企画だ。会場には愛媛県イメージアップキャラクターの「みきゃん」も登場し、厳選された約210品目の愛媛県産プロダクトをキュートな笑顔でPRした。
アンテナショップ&楽天サイトのベストヒット、約210品目が一堂に
2020年に包括連携協定を結び、楽天市場内で一万点以上の商品を扱う特設サイト「愛媛百貨店」を通じてデジタル技術を活用した県産品の販売促進を行っている両者。愛媛県では香川県と共同で都心にアンテナショップ「香川・愛媛せとうち旬彩館」を運営しているが、大阪・関西万博が開催されている中、より多くの観光客が往来する大丸東京店でインバウンド客にも愛媛県のPRを狙う。
開幕式には愛媛県愛のくにえひめ営業本部マネージャーの小林功児氏、楽天グループ株式会社(以下、楽天)地域創生事業共創推進部シニアマネージャーの中川卓哉氏、同社マーケットプレイス事業楽天市場マーケティング部ヴァイスシニアマネージャーの三枝直登氏が登壇。

その中で主催者を代表して挨拶に立った小林氏は、愛媛県が40種類の柑橘類を生産する“柑橘王国”、真鯛の名産地で様々な魚類が養殖される“水産王国”であり、また、34の酒蔵がある隠れた酒どころである点などをアピールした上で、「今回の体験を通じて国内外のお客様に愛媛県の魅力を感じていただき、ここでの購入がオンラインの継続購入にもつながることを大いに期待しております」と述べた。
さすが柑橘王国、みかんジュースだけで圧倒的な品揃え
会場では「香川・愛媛せとうち旬彩館」や楽天の「愛媛百貨店」で人気の特産品を中心に約210品目の商品を販売。『一六タルト』や『坊っちゃん団子』といった大定番のお菓子から、旬彩館で人気ナンバーワンの『瀬戸内鯛めしのもと』、地酒に魚を使ったおつまみのほか、「砥部焼」の器や全国的な知名度を誇る「今治タオル」の商品など実用品も豊富な品揃えだ。


個人的に強く興味を引かれたのは、“柑橘王国”が誇るみかんジュースのコーナーだ。オレンジ一色の棚には、さまざまな品種から作られた16種類のジュースがずらり。地元で人気の自販機でも買える『ちゅうちゅうみかんゼリー』も合わせると、伊予柑、不知火、せとか……と種類が多すぎて、POPのおすすめコメントを読めば読むほどどれを買おうか迷ってしまう。ただ、一堂に並んだ商品から好きなものを吟味できるのも、こうした物産展の醍醐味といえるだろう。


また、郷土の伝統工芸品である水引(祝儀袋などに使用される飾り紐)も展示。9月20日、21日には水引デザイナーの有高智佳代氏を講師に招いたワークショップも行われ、地酒の飲み比べ会やあこや真珠のカプセルトイが手に入るガチャガチャなど体験的な楽しみも用意されている。
自社海外発送サービスを絡めた楽天初のOMO型物産展
一方でインバウンド向けの特徴的な試みといえるのが、楽天の転送サービス「楽天グローバルエクスプレス(RGX)」を活用し、実店舗での購入体験とオンライン購入を組み合わせたOMO型(Online Merges with Offline)の企画展開だ。
RGXは楽天市場を始め、提携のECサイトやリアル店舗で購入した商品を楽天の倉庫から海外へまとめて送る配送サービスだ。複数のサイトで購入した商品を一括で海外の自宅へ送ることができ、英語・中国語に対応しているので、たとえば日本観光で気に入ったものを面倒な手続きなくリピート購入できる。

今回の企画では商品表示に添えられたQRコードをスマホに通すと5言語による商品紹介が見られるだけでなく、オンラインからの購入が可能。RGXを通じて海外発送も可能な仕組みになっている。また、RGXの公式サイト内に愛媛百貨店の特設ページを開設し、本イベントの商品だけでなく楽天市場内で取り扱っている約7500点の商品を買うことができる。楽天にとって自治体とのこうした取り組みは初とのことで、開幕式の中で同社の中川氏は「愛媛県さんと一緒にこうしたチャレンジができて非常に嬉しい」と話した。
なお、当日は愛媛県イメージアップキャラクターの「みきゃん」も登場し、開幕を明るく盛り上げた。みきゃんの姿は場内のいろんなところにあしらわれているので、そちらもお楽しみに。

「愛媛の魅力、ぎゅぎゅっと集合! 愛媛百貨店POPUP STORE」は、9月17日から30日まで東京駅八重洲口の大丸東京店で開催中。ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがだろうか。