ナチュラル&オーガニックという言葉は、ここ数年で私たちの生活にすっかり根づいた。食品や化粧品にとどまらず、ライフスタイル全般に「自然と調和する選択」が広がっているのは、時代の変化を映す現象といえるだろう。その潮流を体感できるイベントとして注目を集めているのが「Biople FES」である。2025年9月、大阪・阪急うめだ本店で開催された「Biople FES 2025 OSAKA」には、国内外の人気ブランド約70社が集結。会場にはインナービューティを意識したサプリメントやオーガニックフード、日常を彩る自然派コスメまでが並び、来場者の目を楽しませた。
単なる販売会ではなく、体験を通じて学び、交流できるのがこのフェスの特徴。ワークショップやスペシャルゲストによるトークショーも連日開催され、来場者は新しい習慣を日常に取り入れるヒントを持ち帰ることができた。中でも特別な注目を浴びたのが、9月7日に行われた「MUSE就任記念!Kep1er×ナチュリズムトークショー」である。グローバルで活躍するK-POPガールズグループ・Kep1erがインナービューティブランド「ナチュリズム」の初代MUSEに就任したことを記念して登壇。美容習慣や日本での思い出、新曲について語る姿に、抽選で集まった200人のファンは熱気あふれる声援を送った。自然派ブランドと音楽カルチャーが交差するその瞬間は、Biople FESが文化的な広がりを持つイベントへと進化していることを示していた。
阪急うめだが「オーガニック・パワースポット」に変身

「Biople FES 2025 OSAKA」は、2025年9月3日(水)から8日(月)まで、大阪・阪急うめだ本店9階・祝祭広場で開催されたナチュラル&オーガニックの祭典である。会場は「ORGANIC POWER SPOT(オーガニック・パワースポット)」をコンセプトに、身体も心も“パワーアップ”できる場として設計されていた。

フェスには、日本国内外から約70のブランドが出展し、オーガニックフード、自然派コスメ、キャラクターグッズなど、カラダにもココロにもうれしいアイテムが豊富に並べられていた。また、Biopleで初となる試みとして、オンラインでも同時開催され、LIVEショッピングによるリアルタイムの商品購入が可能な仕組みが導入された。
会場内では、毎日スペシャルゲストを招いたトークショーやワークショップが実施され、多彩なテーマで構成された。注目すべきワークショップも豊富で、例えば「世界にひとつだけの香りが作れるオリジナルルームミスト」(KOSelig JAPAN)や、「頭皮スコープチェック」(La CASTA)、「野性の藻ブルーグリーンアルジーによる血流測定会」(E3Live)など、参加者が五感を使って自然派体験を楽しめる企画が用意されていた。さらに、西洋占星術師による「星占い」、エグゼクティブバイヤーやインフルエンサーによる「Biople FESツアー」など、個別予約制で楽しめる企画も開催。買い物だけでは味わえない体験も提供された。
ナチュリズム初代MUSE就任記念、 Kep1erが語った美容と日常

9月7日に行われたKep1erのトークショーは、フェス最大の目玉企画のひとつだった。休養中のヨンウンを除く6人がステージに登場すると、ファンの掛け声「Catch your eye, Catch your mind!」が会場を包み、祝祭広場は一気に熱気を帯びた。
この日は奇しくもKep1erの日本デビュー3周年の日。ヒカルが「3周年!お誕生日です!」と声を弾ませると、ユジンが「この3年間走ってきました。あっという間でしたが、いつも応援してくれるケプリアンの皆さん、本当にありがとうございます」と感謝を伝え、客席からは温かい拍手が送られた。サプライズでBiopleから厳選アイテム詰め合わせが贈られると、ヒカルは「ありがとうございます!見ていいんですか!?かわいい!」とその場で開封し、屈託のない笑顔を見せた。

美容習慣の話題では、それぞれが日常的に取り入れているケアを披露。ヒュニンバヒエは「パーソナルトレーニングを週に2回受けています。運動は絶対に欠かせません」と力強く語り、ユジンは「ビタミンを飲んでいます。体力が大事だから」とシンプルな秘訣を紹介。ヒカルは「どれだけ忙しくても足つぼスリッパで出勤します。痛みがクセになるんです(笑)」とユーモラスに語り、シャオティンは「外出のときは必ずサンクリームを塗ります。これが美白を守る秘訣です」と美容意識の高さをうかがわせた。

また、ナチュリズム製品の特典フォトカードの話題では、ヒカルが「裏面には自己紹介が書いてあります。ぜひゲットしてください」と紹介。裏面の自己紹介はQ&A形式になっており、 「私だけのハッシュタグ」についてヒカルは「#ヒカル大好き」と答え、「このタグが付いている投稿はいつもチェックしています!」と打ち明けると、客席からは歓声が響いた。
言葉の話題になると、ダヨンが好きな日本語は「ちょっとだけ待っててね」と紹介。「デビュー前から好きな言葉で、日本語の先生に『ファンが喜ぶよ』と教えてもらったんです」と微笑み、観客を和ませた。シャオティンは「サンシャイン」と回答し、MCから「私たちの心の太陽です」と称えられると会場は大きな拍手に包まれた。

音楽の話題では、8月に発表された新曲『BUBBLE GUM』について、ヒュニンバヒエが「悪童、いたずらっ子ってイメージです。そのようなスタイルで帰ってきました。『すべてを飲み込んでやる!』って感じの曲になっています」と説明。シャオティンがサビの振り付けをその場でレクチャーすると、観客も一緒に踊り、会場全体が一体感に包まれた。
最後にメンバー全員が一言ずつ挨拶し、チェヒョンが「ミューズになれて、大阪も訪問できてとてもうれしかったです。これからもナチュリズム、そしてKep1erをよろしくお願いします」と語り、最後にヒカルが「来てくれてありがとうございました。以上、Kep1erでした!またお会いしましょー!」とステージを締めくくった。
自然派フェスが描く、これからのライフスタイルの姿
「Biople FES 2025 OSAKA」は、ナチュラル&オーガニックの魅力を発信する場であると同時に、音楽やカルチャーを融合させることで新しい体験を創出するイベントであった。70以上のブランドが並んだ会場で、来場者は“モノ”を手にする以上の価値を実感し、Kep1erのトークショーはその象徴的な場面となった。美容習慣や日常のエピソード、新曲について語る彼女たちの姿は、ブランドの理念を自然に伝える力を持ち、ファンと共有される時間そのものが特別な意味を帯びていた。
今回のフェスが示したのは、消費者が単に商品を購入するだけでなく、その背景にある「体験」や「物語」を求めているという事実である。Biople FESは今後も、自然派ブランドと生活者、さらにはカルチャーを結びつける場として進化していくだろう。大阪から始まったこの新しい潮流が、全国、さらにはアジアへと広がり、未来のスタンダードとなっていくことを期待したい。