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数字に縛られない中古車選びへ! 「10年10万km」の常識を変える整備と安心の新基準とは

中古車を選ぶとき、多くの人の頭の片隅に浮かぶのが「10年10万km」という数字だろう。長らく“買い替えの目安”として語られてきたこの基準は、時代とともに常識として刷り込まれてきた。しかし今、その価値観が大きく変わりつつあ […]
舌肥 shitakoe 2025年12月10日

中古車を選ぶとき、多くの人の頭の片隅に浮かぶのが「10年10万km」という数字だろう。長らく“買い替えの目安”として語られてきたこの基準は、時代とともに常識として刷り込まれてきた。しかし今、その価値観が大きく変わりつつある。

クルマの性能は飛躍的に向上し、整備技術も進化した。安全性や耐久性はかつてとは比べ物にならず、定期的にメンテナンスを行えば、年式や走行距離の多さだけで“限界”を判断する理由は薄れつつある。それでも、ネット検索をすれば「10万km越えは危険」「10年経てば買い替え時」といった情報が残り続け、消費者の不安を煽る。では実際のところ、いま中古車に乗っている人たちはどんな車を所有し、どんな基準で買い替えを考えているのだろうか。そして整備のプロは、その寿命をどう捉えているのか――。

市場の変化を感じつつも、明確な答えがつかめないまま迷ってしまう人は少なくないはずだ。中古車の“寿命”に対する共通認識は、果たして今どこまでアップデートされているのか。そこで今回、埼玉県中古自動車販売商工組合 JU埼玉(https://ju-saitama.com/)は、中古自動車を保有している一般ユーザーと自動車整備士を対象に、「中古自動車の購入と販売に対する意識変化」に関する調査を実施した。

現在の保有車データが示す「10年以上が当たり前」の時代

今回の調査では、まず“いま乗られている中古車の実態”が明らかにされた。その結果は、多くの人にとって意外なものかもしれない。

回答者のうち 約3人に1人(35.1%)が「初度登録から10年以上」の車を利用しており、最も多い割合を占めた。さらに走行距離についても「10万km以上」21.8%と、相応に距離を重ねた中古車が日常的に活躍していることがうかがえる。

かつては敬遠対象だった“年式の古さ”や“距離の多さ”を抱える車であっても、多くのユーザーが普通に使用しているという現状は、「中古車は早めに買い替えるべき」という旧来の常識から、大きく意識が転換している証拠である。

“10年10万km”に対する認識の変化

中古車の買い替え目安として浸透してきた「10年10万km」だが、その受け止め方には変化が生まれている。調査では、「やや妥当だと思う」が45.5%、「とても妥当だと思う」が8.9%で、半数以上が一定の妥当性を認めている一方、「あまり妥当だと思わない」「まったく妥当だと思わない」も合わせて約46%にのぼり、認識が大きく分かれていることがわかった。

一方で、「今の時代に販売される“10年10万km走行保証”中古車」の印象については、68.7%の人が「きちんと整備・管理されていればまだ乗れる」と回答している。「耐久性が昔より改善された」という声も23.0%あり、長く乗り続けられる車両が増えているという実感が広がっているようだ。

年式や走行距離だけでは判断できない時代へ――。数字に縛られた旧来の価値観より、整備状況や車両状態に目を向ける意識が着実に高まっていると言えるだろう。

中古車選びの基準は、“安さだけ”ではなくなっている

調査結果によると、中古車購入時に最も重視されるのは「価格」(84.2%)で、続いて「走行距離」(74.7%)、「年式」(59.2%)が挙がった。購入判断の中心に基本スペックがあることは今も変わらない。
一方で、「外装・内装の状態」や「メンテナンス履歴」など、車のコンディションを確認したいという意識も強まっている。また「燃費・維持費の安さ」や「整備の信頼性」といったポイントも一定数支持されており、“長く安心して乗れるかどうか”を見極める姿勢がうかがえる。

数字だけに頼らず、「状態」や「安心感」を含めて総合的に判断する人が増えている。ここにも、旧来の価値観からの変化が垣間見えると言えるだろう。

整備のプロが語る「長く乗れる」明確な理由

消費者の意識が変わりつつある一方で、実際に車の状態を見守る整備士たちはどう考えているのだろうか。調査では、「10年10万kmを超えても適切な整備を行えば安全に走行できるか」を尋ねたところ、「強くそう思う」44.9%、「ある程度そう思う」50.6%と、9割以上の整備士が肯定的な見解を示した。その理由として最も多く挙がったのは「劣化の早期発見・対処ができる」(60.0%)。続いて「摩耗や劣化の進行を遅らせられる」(47.4%)、「潤滑・密閉・冷却などの機能を維持できる」(29.2%)が続き、日頃のメンテナンスによって車の寿命は大きく変わるという根拠が示されている。

さらに、整備士視点で「中古車はどうあるべきか」を尋ねた結果では、「適切な整備で安心感を与えるべき」(46.8%)、「安全性をしっかり担保すべき」(41.3%)、「故障・劣化を少なく長持ちさせるべき」(40.7%)といった回答が上位に並んだ。整備の質が、中古車の“信頼できる価値”をつくると考えられていることがわかる。

技術と知見を持つ専門家たちが揃って「整備次第で長く乗れる」と評価していることは、中古車を選ぶうえで大きな安心材料となるだろう。

ユーザーも整備士も求める“安心条件”

中古車を安心して利用するためには、どんな条件が求められているのか。ユーザー側では「保証や整備体制が充実していること」が69.9%と最も多く、次いで「車両状態や履歴がわかりやすく開示されていること」が52.3%となった。さらに「万一のトラブル時に迅速に対応してくれること」や「接客・説明の丁寧さ」など、“見える安心”と“対応への信頼”を求める声が大きい。

一方、整備士の視点では「車両状態・履歴の開示」が47.2%でトップ。「保証や整備体制の充実」(36.0%)、「丁寧で信頼できる説明」(36.4%)が続き、プロもまた、透明性と信頼性を重視していることがわかる。

さらに「安心して長く乗り続けられる社会のために必要な工夫」を尋ねた設問では、ユーザー・整備士ともに「整備履歴の見える化」「長期保証やアフターサポートの充実」が上位に並んだ。いずれも、中古車の“状態と安心”を正直に伝える仕組みを求める声が強い。

中古車市場は今、価格だけでは語れない安心価値が問われている。情報の透明化と、必要なときに頼れるサポート体制こそが、「この車なら長く乗れる」と購入者が確信するための条件になっていると言えるだろう。

調査概要:「中古自動車の購入と販売に対する意識変化」に関する調査
【調査期間】2025年11月13日(木)~2025年11月17日(月)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,011人
【調査対象】調査回答時に①中古自動車を保有している一般ユーザー/②自動車整備士と回答したモニター
【調査元】埼玉県中古自動車販売商工組合 JU埼玉(https://ju-saitama.com/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

中古車の価値は、年式や走行距離といった数字だけでは測れない時代になっている。実際に、ユーザーの意識も整備士の見解も「整備次第で長く乗れる」という確信へと収束しつつある。安心して選べる情報が開示され、必要なサポートを受けられ、信頼できる整備が提供される——。その当たり前を整えることこそが、中古車市場全体の信頼を押し上げる鍵である。

“乗り続けたい”と思える車が増えれば、消費者にとっての選択肢が広がるだけでなく、環境負荷の軽減や資源循環にもつながる。性能も技術も向上し続ける今、中古車はもはや「妥協の選択肢」ではない。適切な整備と透明性のある販売によって、価値は何度でも再定義されるのである。
車とユーザーの関係が長く続く社会へ。中古車市場は今、確かな未来へ向けてアップデートされようとしているのである。

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