パソコンの開発・製造・ダイレクト販売などを行うエプソングループのエプソンダイレクト株式会社は、2025年11月19日〜21日の3日間で開催中の、組込み・エッジテクノロジーの最前線を紹介する、日本最大級の展示会「EdgeTech+ 2025」に出展しました。
課題を技術の力で解決する「エプソンダイレクト」
エプソンダイレクトは1993年に設立し、パソコンや情報関連機器の企画・開発・販売を行っている企業。
顧客のビジネスに寄り添うパソコンをコンセプトとし、長年にわたって製造業の現場を支えてきたほか、小売業・医療機関・オフィスなど、様々な場面で愛用されているパソコンのメーカーです。
エプソンダイレクト株式会社 事業推進部 コミュニケーションGの塩原洋市係長は、
「我々はパソコンを製造するメーカーですが、パソコンだけでは現場の課題を解決しきれないところがあり、大手の共創パートナーと一緒に、“モノとコト”という形で(今回ソリューションを)ご提案しております。」
と、今回「EdgeTech+ 2025」に出展した展示について紹介していただきました。

「モノ×コト」で現場の課題解決と新たな価値を創出
2006年から発売しているマイクロサイズPCシリーズは、手のひらに乗るサイズ感で、何度もモデルチェンジを行いながらアップデートを行ってきたそうです。

「弊社では、大きいパソコンから小型化をすることで、省電力化や省スペース的な部分も含めた課題を解決する形でご提案しています。」
とコメント。
実際に置き場が広くない小規模店舗や製造現場などで重宝されているのだそうです。
若干サイズが大きくなるものの、グラフィックボードを搭載可能なタイプも提供しており、現場のニーズに合わせて利用が可能な点も嬉しいポイント。
また、タブレットは昨今の「薄型」「軽量」で持ち運びやすいものではなく、しっかり作り込んだものを提供しているのだとか。

「タブレットは小型で持ち運びやすいイメージが多いですが、それでは製造・小売などの現場で使うには、堅牢性が十分とは言えません。弊社では本体の耐久性などにも一定以上の堅牢性をもたせつつ、マルチジャケットというカバーをつけることで、1.2mの高さからの落下、角からの落下にも対応しています。また、アームに取り付けられるような規格の穴も備わっており、現場で様々な活用が可能です。」
と教えてくれました。
また、バッテリーを簡単に交換することができるノートパソコンも展示。

「バッテリーが劣化してしまって交換しなければいけない場合に、買い替えではなく『バッテリー交換』で同じパソコンを長く使うことで、コスト的にもメリットがあり、環境負荷も低減できる、といった提案も行っています。」
とアピール。
バッテリー交換のために業者に依頼せず、誰でも簡単にバッテリー交換が可能なノートパソコンは、利用者にとって大きなメリット。
特に社外秘のデータが入っていて業者に出せない、バッテリー交換に時間がかかり業務に支障が出てしまう、といった悩みから解放される点は非常に魅力的と言えるでしょう。
共創パートナーとのユースケースも紹介
ブースでは、エプソンダイレクトと共創パートナーが実現する“人と機械の協働”を支える連携事例も紹介。

共創パートナーの1社である株式会社フツパーでは「すべての製造業にAIを」を掲げ、製造現場での導入・運用を徹底的に考え抜き、学習済みAIモデルを現場に即実装できる仕組みを提供。
“人の手を動かすためのAI”として、現場起点のDX推進をエプソンダイレクトと共に推進しています。
外観検査のソリューションにエプソンダイレクトのパソコンを使用し、コンベアで流れてくる商品の判定をAIによって自動で判定する仕組みを紹介。
AI判定用にエプソンダイレクトのパソコンを組み込んだことで、これまで使用していたパソコンと比較して、不具合や電力供給などの面からも信頼性が向上したとのこと。

また、日本マイクロソフト株式会社は、エプソンダイレクトとの連携により、設計・開発・管理など製造業の幅広い業務を支援するAI「Copilot+」を搭載したパソコンを展開。
クラウド上ではなく、ノートパソコン自体に生成AIの言語モデルをビルトインし、電源を点けた瞬間から生成AIの利用が可能になるほか、AIの処理に特化したプロセッシングユニット「NPU」の搭載により、低消費電力を実現しています。

インターネットが使えない環境でもAIを利用できる点や、必要書類・ファイルの検索、簡単な画像処理など、日常的な利用シーンにおいて一般的なクラウド上の生成AIとは違った強み・利便性があるパソコンとなっています。
エプソンダイレクト株式会社 技術部の大輪秀俊部長は、
「GPUでもAIは処理することができますし、いま世の中では基本GPUを使って処理されているのですが、AIに特化したプロセッサーNPUの特徴としてはGPUよりも効率が良い点。外で持ち歩き、バッテリーで使用する際にGPUでAIを処理すると、バッテリーの消費が激しくなってしまいます。NPUによって低消費電力でAIを利用できますし、AIを使うにあたってCPU、GPUの負荷をあまりかけずに済む点もメリットですね。」
と説明。
また、エプソンダイレクトのパソコンは、全て日本製という信頼性の高さも大きな魅力。
「我々は日本品質・日本製の製品をお届けしているところが強みです。お客様に安心していただけるよう、ものづくりを念頭に置きながら仕事をしております。」
と自信を持ってエプソンダイレクト製品をアピールされていました。
製造業などに向けて、多様なパッケージモデルを提供しているエプソンダイレクトは、今後も様々な製品で省人化・品質管理などの「課題解決」を支援していくとのこと。
今後のエプソンダイレクトの動向や発表などにも、ぜひ注目してみてください。
製造業向けパッケージモデル:https://shop.epson.jp/pc/other/use/factory_pc/
