秋の訪れとともに、街やキャンパスがにぎわう季節がやってきました。
東京都小平市にある嘉悦大学では、11月1日と2日の2日間にわたり、学生と地域が一緒に楽しめる学園祭「飛翔祭(ひしょうさい)」が開催されます。
今年のテーマは「飛べ!Flying in the Sky ~祭りの時間だ~」。
学生たちが自ら考えたこのスローガンには、挑戦を重ねて得た自信と仲間の力で、より広く、より高く羽ばたきたいという思いが込められています。
キャンパス内では、ダンス部や軽音楽部によるステージパフォーマンスのほか、学生や地域の子どもたちによる模擬店、被災地支援のマルシェなど、にぎやかな催しが数多く予定されています。
さらに、元バレーボール日本代表の上場雄也さんによる小中学生向けのバレーボール教室や、高校生が参加するアイデアコンテスト表彰式など、世代を超えて楽しめる企画も充実しています。
学生のエネルギーと地域の温かさが融合する「飛翔祭」は、まさに“地域とともに育つ大学”を体感できる二日間になりそうです。
学生が作る“飛翔祭”の活気と魅力

嘉悦大学の学園祭「飛翔祭」は、毎年学生たちの手で企画・運営されるイベントです。
今年のテーマ「飛べ!Flying in the Sky ~祭りの時間だ~」には、コロナ禍や社会の変化を乗り越え、再び羽ばたく力を信じたいという学生たちの想いが込められています。掲げられたスローガンの通り、キャンパス全体に前向きなエネルギーがあふれています。
ステージでは、ダンス部や軽音楽部によるパフォーマンスが次々と披露されます。仲間とともに作り上げるステージは、日頃の練習の成果を発揮する場であり、観客との一体感を生む瞬間でもあります。音楽や歓声が響くその空間は、大学生活の楽しさや若者の情熱を感じさせてくれます。
また、構内では、1年生の基礎ゼミナールクラスによる模擬店やサークル・研究会による展示企画も充実しています。屋台の匂いや笑い声が広がる中で、学生同士が声をかけ合い、地域の来場者と交流する光景が広がります。単なる「学祭」ではなく、学生たちが学びの成果を形にし、地域に発信する場としての側面も強く感じられます。
こうした活気の中心にあるのは、「自分たちで作り上げる」という学生たちの主体性です。テーマの言葉どおり、一人ひとりの挑戦と仲間の力が翼となり、嘉悦大学のキャンパスに新しい風を吹き込んでいます。
子どもから高校生までが参加 地域とつながる学びの場
「飛翔祭」のもう一つの特徴は、地域の子どもたちや高校生が参加できる企画が多いことです。
大学の枠を超え、さまざまな世代が集うイベントとして地域にも親しまれています。
注目を集めるのが、元バレーボール日本代表の上場雄也さんによるバレーボール教室です。
小学5・6年生と中学生を対象に行われるこの教室では、技術指導だけでなく、チームワークや挑戦する楽しさを体感できるよう工夫されています。嘉悦大学の女子バレーボール部員もサポートに入り、プロの指導を間近で体験できる貴重な機会となっています。
また、地域の小中学生が模擬店を運営する「コダイラコドモクラブ」もユニークな取り組みです。
子どもたちは「マネトレキッズ in 小平」で学んだことを活かし、実際にポップコーン販売を通じて“経営体験”に挑戦します。売上や原価を自分たちで考えることで、学びながら楽しめる実践の場になっています。大学生によるサポートもあり、子どもたちの笑顔があふれるエリアです。
さらに、高校生が参加する「高大連携プロジェクト」では、アクセサリーやトートバッグを自ら企画・販売。
大学生のアドバイスを受けながら、商品の魅せ方や売上計算まで自分たちの手で行います。
こうした試みは、単なる“文化祭”を超えて、学びの循環を生み出している点が印象的です。
同じく、嘉悦大学が主催する「高校生広報アイデアコンテスト」の表彰式も開催されます。
全国から300点を超える応募が集まり、入賞作品が会場で発表される予定です。高校生の自由な発想が、大学の広報や地域活性のヒントにつながる——そんな新しい交流の形がここにも見られます。
地域の子どもから高校生、そして大学生へと続く“学びのリレー”は、嘉悦大学の教育理念をそのまま映し出しているようです。世代を超えた出会いと体験が、飛翔祭をより深みのあるイベントにしています。
社会とつながる大学の姿勢 被災地支援「こだマルシェ」

飛翔祭の会場では、地域と学生が協力して行う社会貢献活動にも注目が集まります。
その代表的な取り組みが、被災地復興支援を目的とした「こだマルシェ」です。
「こだマルシェ」は、嘉悦大学の研究会が地域団体と連携して運営する企画で、被災地の特産品を販売し、売上の一部を復興支援に充てるものです。単なる販売イベントではなく、“学生が地域や社会の課題にどう関わるか”を考える実践の場となっています。出店ブースでは、特産品を手に取る来場者の姿や学生が丁寧に説明する光景が見られ、社会と大学の距離を近づける場として定着しつつあります。
また、学内のカフェ「プロント嘉悦店」と連携した産官学企画も展開され、研究会の学生が店舗運営の一部をサポートします。こうした取り組みを通じて、大学の学びが社会の現場と直接結びついていることを体感できるのも、嘉悦大学の特徴です。
地域の商店や企業と学生が協働する姿は、“学びの成果を地域に還元する”という大学の理念を体現しているようです。華やかなイベントの裏には、社会課題への意識や実践的な教育の姿勢が息づいています。
学びを社会へつなぐ 嘉悦大学のこれから
創立から120年を超える歴史を持つ嘉悦大学は、長く「実学教育」を重視してきた大学です。
知識を学ぶだけでなく、それをどう社会に生かすかを考える姿勢が、今も変わらず受け継がれています。
今年の「飛翔祭」には、その理念が随所に感じられます。
学生が自ら企画し、地域の子どもや高校生と一緒に活動する。
被災地支援や産学連携を通して社会とのつながりを築く。
それぞれの取り組みの根底には、「学びを実践に変える力」を育てたいという思いが見えます。
イベントとしての楽しさに加え、教育の一環としての意義がしっかりと根付いていることも、嘉悦大学の学園祭ならではの魅力です。
キャンパスに集う学生や地域の人々の笑顔が、その答えを物語っています。
秋の週末、少し足を伸ばして、学生たちが羽ばたく瞬間に触れてみるのも良いかもしれません。
嘉悦大学について
嘉悦大学の前身は、創立者である嘉悦孝により、1903年(明治36年)に日本初の女子を対象とした商業学校として設立された「私立女子商業学校」に遡ります。
以来、120余年にわたり、嘉悦学園は時代に先駆けた実学教育を展開。
日本初の女性公認会計士をはじめとする有為の人材を多数輩出してきた歴史ある大学です。
