東京・丸の内といえば、日本有数のビジネスエリア。そうイメージする人は多いだろう。だが、リモートワークが根付いたコロナ禍を経て働き方は大きく多様化し、今や「働く場所」には単なるオフィスとしての機能だけでなく、交流や学び、楽しみといった体験を通じて、生活の質を高める複合的な役割が求められるようになっている。
丸の内エリアでは、働く場所の価値が改めて問われる時代において、エリアに集積する企業・店舗・公共空間・人々のつながりを活かし、まち全体の魅力向上やこのまちで働く就業者の満足度・QOLの向上に資する取り組みを進めている。
これまでも夏季には、盆踊りや打ち水といった体験型のイベントを多数展開してきた。しかし、今回初開催となるイベント「MARUNOUCHI SUMMER FEST」では、これらの取り組みをさらに拡張。丸の内エリアの地権者・行政等との連携によるまちづくりを担う「大丸有協議会」、公共空間の活用やにぎわいづくりを進める「リガーレ大丸有」、サステイナブルな社会づくりや社会課題解決に向けた活動を行う「エコッツェリア協会」、そしてデベロッパーの「三菱地所」の4者が、それぞれの役割と知見を活かしながら“まちまるごと”で展開・発信することで、丸の内における新たな「夏の風物詩」となることを目指している。
「エリアで働く人が主役となり、ご家族や友人など大切な人をまちに招く」というコンセプトのもと、丸の内エリアで働く人々やその家族が思い思いにまちを巡り、日常の延長線上で様々な体験に出会う機会を創出する「MARUNOUCHI SUMMER FEST」。このまちで過ごす時間の楽しさや豊かさを実感し、丸の内エリアへの愛着をより深めることで、持続的なまちの価値向上につなげていきたいという。
丸の内仲通りを涼やかに彩る、迎賓の“花の回廊”

イベントの象徴として丸の内仲通りに登場したのが、バラやユリなどで彩られた「花の回廊」。丸ビル前に連なる14基のアーチは、1923年竣工の旧丸ビル(丸ノ内ビルヂング)1階入り口のアーチをモチーフにしたものだ。まちを訪れる人々へ「おもてなし・迎賓」の気持ちが込められている。

青と白を基調とした涼感あふれる装飾は、昼間は夏の緑に映える爽やかな顔を覗かせる。そして夜になれば、ライトアップによって幻想的な表情に。照明の一部には、植物や土中の微生物の生命活動から生まれるエネルギーを利用した「ボタニカルライト」を活用。自然由来の電力で夜の空間を彩る、サステイナブルな試みにも注目したい。
酷暑を乗り切る! 五感で涼む「丸の内ストリートパーク」の実証実験
将来の道路空間の活用を探る社会実験として展開される「丸の内ストリートパーク」。今年の夏は、社会問題化する酷暑でも快適に過ごせる環境づくりにフォーカスし、「五感で涼む」多彩なエリアを用意した。

【日陰エリア】では、東レの「サマーシールド」を採用した天幕を設置。日差しを遮り、快適な日陰を創出する。夜になれば、ネオンやモクテル(ノンアルコールカクテル)を楽しめる、仕事終わりの心地よいナイトタイム空間へと様変わり。

【風エリア】では、首元を冷やす風の演出で体感温度を下げる工夫が。さらに、ポイントゼロの協力による「クールベンチ」を設置。背面や側面から冷風が吹き出し、思わずずっと座っていたくなるほどの涼しさを提供する。

【ミストエリア】は、散水栓を利用したミストシャワーで気化熱を利用し、周囲の温度を低下。足元には、Jリーグの協力で水が循環する人工芝「パーマボイド」を敷設。実際に触れるとひんやり冷たく、見た目と触感の両方で涼を得られる。

【音と香りのエリア】は、JVCケンウッドとプロモツールが協力。頭上のアイコニックな三角のモチーフから、鳥のさえずりや川のせせらぎの音が降り注ぎ、ユーカリミントの香りが漂う。まさに都会のオアシス。
ほかにも、サマーシールド生地を活用した「無料日傘レンタル」や、花王のブランド「melt(メルト)」とコラボしたヘッドスパが体験できる「休息美容スポット」など、就業者も来街者も心身ともにリフレッシュできる仕掛けが満載だ。
「ここで働いて良かった!」就業者限定の嬉しい特別優待
丸の内エリアで働く人に「このまちで働いていて良かった」と実感してもらうための企画も充実。就業者向けサービス「MARUNOUCHI WORKERS」の会員限定で、特別ドリンクのプレゼントキャンペーンを実施中だ。
丸の内二丁目ビル1階の「Happ.」ではブルーシトラスソーダや生ビールを、大手町フィナンシャルシティの「GARB Cheers OTEMACHI」では青を基調とした爽やかなカクテル「チアーズブルー」などを、各日先着30名に提供。仕事の合間のリフレッシュや、就業後のちょっとしたご褒美に最適な特典となっている。

働くまちから、楽しむまちへ。広がる丸の内の可能性
本イベントの目玉のひとつである「丸の内サマーワークショップ」には、エリア内の50社以上の企業や店舗が連携。本格的なバリスタ体験から株式トレーダー体験まで、多彩なプログラムに応募が殺到し、その倍率は実に8.3倍を記録した。
このように、100を超える体験コンテンツが街のあちこちで繰り広げられる1ヶ月間。オフィスビルが立ち並ぶ「働くまち」という顔だけでなく、人と人がつながり、楽しみ、心安らぐ「遊ぶまち・学ぶまち」としての新たな魅力がそこにはある。


働く人と、その大切な人々が笑顔で行き交う、丸の内の「MARUNOUCHI SUMMER FEST」。このまち丸ごと楽しむ夏が、丸の内の持続的な価値を高め、未来へ続く新たな「夏の風物詩」となっていくに違いない。
