北陸の郷土芸能の魅力を発信して地域を盛り上げるイベント『わっかフェス』が、2025年3月26日に富山県富山市のオーバード・ホールにて開催されました。
富山県立南砺平高等学校・郷土芸能部、富山県民謡越中八尾おわら保存会、新湊・放生津地区の獅子舞行事 二の丸町獅子方若連中、御陣乗太鼓の4団体が北陸の郷土芸能を披露したほか、フォークデュオの「ゆず」も出演。
郷土芸能のパフォーマーと一緒に歌って踊り、舞台を盛り上げました。
伝統芸能で地域の魅力を発信
「わっかフェス開催にあたって、地域の皆様とのつながりを体現できないかということで、入場の際にお客さんには富山県の名産である“しろえび紀行”と、出演のアーティスト“ゆず”さんに合わせ、“ゆず味”のしろえび紀行をお配りいたしました。人と人のつながりにより、郷土芸能と音楽の力で地域を盛り上げていくこのイベントが、これからも“わっか”のように各地につながり、広がっていくことを願います。」
と主催者がわっかフェスへの想いをコメント。
そしていよいよ、わっかフェスがスタートしました。
トップバッターとして出演したのは、全国高等学校総合文化祭での入賞回数が全国最多の富山県立南砺平高等学校・郷土芸能部の皆さん。
披露した演目は、日本最古の民謡の「こきりこ」、平家の落人伝説を唄った「麦屋節」の2曲。
郷土芸能部の部長は、
「五箇山民謡の魅力を多くの人に知ってもらおうという気持ちで活動している。たくさんの人の前で緊張したがとても楽しくできた。」
と感想を述べました。
そして、ニューヨーク・タイムズの「2025年に行くべき52か所」に選ばれた富山県の民謡越中八尾おわら保存会が登場。
今回の演目には、横浜国立大学 民謡研究会合唱団のメンバーも参加。
ニューヨーク・タイムズに選ばれたこともあり、県民謡越中八尾おわら保存会の方は、
「八尾のおわらを世界に伝えていくことが大事である。」
と伝統芸能の魅力と誇りを伝えました。
続いて登場したのは、新湊・放生津地区の獅子舞行事 二の丸町獅子方若連中。
富山県は全国的に見ても獅子舞が非常に多く、新湊・放生津地区の獅子舞は毎年5月の春祭りに、各町内にて早朝から夜遅くまで家々の厄払いを行いながら舞っているのだそうです。
漁師町ならではのアップテンポなお囃子と、天狗と獅子との戦い、そして『キリコ』という花笠をつけた子どもたちとの掛け合いがあり、ストーリー性の高い演舞が特徴。
新湊・二の丸町獅子方若連中の会長は百足獅子について、
「7人の足を揃えることは難しいが、かっこよく見せるためにすごく練習をしました。」
と語りました。
そして郷土芸能のラストを飾るのは、輪島市名舟町に伝わる郷土芸能で、石川県指定無形民俗文化財に指定されている石川県の郷土芸能「御陣乗太鼓」。
保存会のメンバーは県内外のイベントに広く出演し、能登の魅力発信を行っています。
ピンスポットに1つの太鼓と1人のパフォーマーが無音の状態でたたずみ、6人のパフォーマーが入れ代わり立ち代わりで舞台上に登場。
今後の目標として、
「昨年の能登半島の災害で披露する場を奪われてしまったが、全国からオファーをいただいているのでなんとしてもその気持ちに応えたい。」
と御陣乗太鼓への思いを伝えました。
「ゆず」と郷土芸能のコラボレーション
そして国民的人気デュオのゆずが登場。
ライブは大人気の楽曲「虹」から始まり、ゆずのパフォーマンスによりさらに会場は一体感に包まれました。
ゆずのライブでは度々使用されるタンバリンが入場の際に全員に配られており、横浜国立大学の民謡研究会合唱団もステージに登場し、観客を含めた全員で「タンバリン」を使用。
会場全体がさらに盛り上がります。
北川さんから「ちょっと早いですが、春を越えて夏の曲いってもいいですか？」と観客に呼び掛け、ゆずの大人気楽曲である「夏色」を披露。
会場からアンコールを受けると、先ほどパフォーマンスを披露した「新湊・二の丸町獅子方若連中」が登場し、舞台上から餅まきが行われました。
そして最後の楽曲「栄光の架橋」の曲中に今回のイベントに出演した郷土芸能団体のメンバーがステージに登場。
会場は観客・出演者が一体となり、フィナーレに相応しい盛り上がりの中、終演しました。
わっかフェスは1日限定見逃し配信も実施中。
配信期間は4月20日までとなっているので、ご覧になりたいという方は公式WEBサイトよりご応募ください。
わっかフェス概要
会場：オーバード・ホール
【参加団体】
●郷土芸能
・富山県立南砺平高等学校・郷土芸能部
・富山県民謡越中八尾おわら保存会、横浜国立大学 民謡研究会合唱団
・新湊・放生津地区の獅子舞行事 二の丸町獅子方若連中
・御陣乗太鼓
●アーティスト
・ゆず
【セットリスト】
1：虹
2：少年
3：サヨナラバス
4：雨のち晴レルヤ
5：タッタ ※郷土芸能とのコラボ
6：夏色 ※郷土芸能とのコラボ
7：栄光の架橋 ※郷土芸能とのコラボ
わっかフェス：https://www.hab.co.jp/wakkafes/
