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北海道の日本酒造りの発展・魅力発信のための交流イベント「北海道の酒米を語ろうin赤れんが」を開催

北海道庁は、道内外の酒造メーカーにおける、さらなる北海道の酒米(さかまい)の認知度向上と、道内酒米生産者の意欲向上を図るためのイベント「北海道の酒米を語ろうin赤れんが」を、北海道庁赤れんが庁舎で開催しました。 &nbs […]
TORSOJACK 2026年3月6日

北海道庁は、道内外の酒造メーカーにおける、さらなる北海道の酒米(さかまい)の認知度向上と、道内酒米生産者の意欲向上を図るためのイベント「北海道の酒米を語ろうin赤れんが」を、北海道庁赤れんが庁舎で開催しました。

 

「北海道の酒米を語ろうin赤れんが」開催

本イベントは、北海道の酒米を熟知した杜氏の経験や評価等を通じた酒米の魅力発信と、酒米のブランド化の情報提供、さらに生産者と北海道の酒米を使用している道内外の酒蔵との交流を図り、道内外の酒造メーカーへのさらなる北海道の酒米の認知度向上、そして道内酒米生産者の意欲向上を図るため、北海道が主催。

道産の酒米は「吟風(ぎんぷう)」「彗星(すいせい)」「きたしずく」の3種類で、道内生産者の尽力により、年々品質が向上。

これらの紹介や活用などについて、杜氏や酒蔵担当者と生産者との交流が行われました。

イベント当日は、猛吹雪による交通機関の運休などにより、登壇者・参加者が来場できないアクシデントも起こりましたが、オンライン参加などに切り替えることで、無事イベントがスタート。

北海道庁赤れんが庁舎には、悪天候にもかかわらず多くの酒蔵・生産者が集いました。

イベント冒頭、北海道農政部の花岡弘毅生産振興局長は、

「本日は大変な悪天候の中、皆さんにご来場いただき、本当に心から感謝申し上げます。一昨年から続く米価の高騰や水不足に伴う政府備蓄米の放出など、お米に関する話題が多かったと思います。生産者にとっては、コストが賄われる価格形成が重要であるという消費者の皆様のお声もいただいている状況です。こうして米に対する理解が深まった1年でもあったのかなと考えております。」

と挨拶を行ったとともに、道内産の酒米3品種について、道議会において酒米の価格上昇分を支援する事業を提案することを明かしました。

 

酒販店と酒蔵の関係について

第一部の前半は、酒蔵・酒店による講演を実施。

まず「酒販店と酒蔵との関係性について」をテーマに、有限会社小山商店 代表取締役の小山善明氏がオンライン上で登壇しました。

小山代表は、

「酒販店と酒蔵の関係性ですが、一番大切なのはお互いにとって良きパートナーであることだと思います。良きパートナーとして、まず大切なことはお互い何をすべきか、何をやりたいのか、どこまでできるのかをお互いが理解して、一つのお酒を作っていく。皆様は普段からお互いがコミュニケーションを取り合うようにしていると思いますが、その情報の共有がどこまで突っ込んだ話ができるか、どこまで想いを伝えられるかということはすごく大切なことだと思います。」

と語り、酒蔵と酒販店は単なるお酒の売買におけるビジネスパートナーとしてだけではなく、二人三脚で歩んでいくことが大事だと説明しました。

酒蔵に対して正直な感想を伝えたり、作りたいお酒のビジョンを汲み取ってアドバイスや生産者・似たお酒を作る酒蔵の紹介を行うなど、接点を作る活動も行っていると語った小山代表。

その中で、パートナーシップを組む酒屋を無視し、自分たちでお酒を販売してしまうような行為が増えてきているそうで、こういったことはやめてほしいと訴えかけました。

続けて「北海道の酒米と歩んだ酒造り」をテーマに、小林酒造株式会社 専務取締役の小林米秋氏が講演。

小林専務は自身やこれまでの小林酒造の歩みを紹介した後、

「今の現社長は4代目ですが、3代目から4代目にバトンを渡すときに、酒蔵はもうこれからダメかもしれないから、あとはお前の好きなようにしなさいと言ってバトンを受け継いだと聞いています。うちの社長はもうダメだと元々考えて、それまで作っていた安いお酒、9割以上作っていた安酒を全部やめました。そして、特定名称と言われるようなお酒の造りを中心に、品質重視に切り替えました。その時にもう一つ行ったのが、北海道産米での酒造りでした。」

と、北海道産米でのお酒造りを本格的に始めたきっかけについて説明。

北日本の冷害などの影響で、酒米の仕入れが困難だった時期もあったことから、小林酒造では道産米でのお酒造りを積極的に行っていたそう。

また、お酒造りに向かず「すずめまたぎ(すずめも食べない)」と言われていた道産米を使った日本酒造りの発展にも尽力し、1979年に道産米を100%使用した同酒造の代表銘柄「北の錦」が完成したのだと語りました。

その後も道産米とともに歩んだ歴史を語った小林専務は、

「私たちは、開拓者精神をずっと忘れずにお酒造りに取り組んでいきたいと思っています。酒米を作っていただいている(生産者の)皆様には、我々は原料米がないとお酒造りができませんので、本当に日々感謝しています。色々な状況がありますが、この状況を乗り越えて飲んでいただける方たちにおいしいお酒を届けていきたいと思っていますので、ぜひこれからもご協力いただければと思います。」

と、生産者に向けて感謝の言葉を述べました。

第一部後半には、続けて小林専務とともに、上川大雪酒造株式会社 代表取締役副社長・総杜氏の川端慎治氏、龍神酒造株式会社 製造部長・杜氏の堀越秀樹氏、銘酒の裕多加の熊田架凜氏が登壇してのトークセッションを実施。

それぞれが道産米を使用した酒造りについて、川端代表は道産米を使った日本酒造りが当初難航したことを挙げ、

「北海道はそもそもお米ができるような土地じゃないわけなんです。気候とか、それが(本州の米とは)全く違う遺伝子を持っているお米をずっと交配させながら栽培されてきた。一般的にイネ科の植物は、感光性遺伝子に合わせて発育が決まってくるんですけど、北海道のイネは感光性遺伝子ではなく温度に反応するという、全く違う性質を持っていたんです。そうすると、デンプン構造とか色々な部分が違うというのがわかって、だから同じ作り方で上手くいくわけがないんだというところがすごく腑に落ちて、そこから急にやりやすくなりました。」

と、酒造りの過程で得た知識を披露しました。

堀越製造部長は、昨今の温暖化による酒米の状態の悪化に言及。

「高温障害などもあり、米の状態としてはあまり良くない状態です。本州の方では、昔ほど良い状態ではなくなっています。今後の展望としては、北海道産米を現在7割ほど使っていますが、もっと多く9割まで引き上げていこうと思っています。米の状態としては北海道産米が一番良いですね。」

と、現状道産米の状態が最も良いのだと説明し、今後は道産米の割合を増やしていく方針であると明かしました。

イベント後、川端氏に今回の交流イベントについてお話を伺うと、


左から川端氏、後藤氏

「うちは本当に徹底して、もう7〜8年くらい(生産者との交流を)続けてきています。やっぱり良いお米ができないと、良いお酒もできないので、そういったコミュニケーションは非常に大事なこと。」

とコメントし、もっと生産者とのつながりを酒蔵の方ももてば、北海道の業界もさらに盛り上がるのではないかと語りました。

北海道農政部生産振興局農産振興課 主幹の後藤孝幸氏は、

「今回は、酒米生産者と酒蔵そして酒販店や農協など、酒米・日本酒に関係する方々との交流も目的の一つとしていました。道内外の酒蔵からは、道産酒米に対する期待の声が多く寄せられています。道産酒米が今後も多くの酒蔵で使用されるよう、また道産日本酒が多くの方々に飲んでいただけるよう、今後とも日本酒に関係する方々が一緒になって、道産酒米と日本酒を振興するための機会づくりをしていきたい。」

と、今後も積極的に道産酒米や日本酒をアピールしていくと語りました。

北海道の大自然に育まれ、その寒冷な気候に適した品種改良を行ってきた酒米と、それを使用した日本酒製造。

温暖化が続く中で、日本中の酒蔵・酒販店など、より多くの方が注目するものとなっていくことは間違いないでしょう。

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